中村アン:“強い女性役”で出色の存在感も「実際は全然違う」 37歳、母親役にも意欲

連続テレビ小説「おむすび」に出演する中村アンさん
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連続テレビ小説「おむすび」に出演する中村アンさん

 俳優の中村アンさんが、橋本環奈さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おむすび」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、結(橋本さん)が働く大阪新淀川記念病院の外科医・蒲田令奈を演じている。コロナ禍の病院のリアルを描いた第23週「離れとってもつながっとうけん」(3月10~14日放送)では、未曾有の危機に直面した医療従事者たちが奮闘する姿をリアルに表現した。「マスクを着用しながらの演技で、当時の大変だった状況を思い出しながら撮影に臨みました」と語る中村さんに、蒲田を演じる上で意識したことや、今後、挑戦してみたい役などについて聞いた。

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 ◇「メシ」蒲田のせりふに驚き

 中村さんが演じる蒲田は、腕を買われ、理事長が東京の病院から引き抜いた外科医。丁寧な口調だが、自己中心的。術後の栄養補給などは管理栄養士に丸投げする……という役どころ。食事のことを“メシ”と言うなど、サバサバしたキャラクターが存在感を放っている。

 結に仕事上で厳しく当たるシーンも多く、中村さんは「せりふが少し強いというか、ご飯をメシと言ったり、蒲田のキャラクターが立つように描かれていて、台本を読み始めたときは驚きました」と振り返る。

 「メシっていう言い方はなじみがなかったので、どう言ったらいいんだろうと模索しました。言い方次第では怖くなってしまうので、そこまで強く聞こえないように声のトーンを意識しましたね。威張っている感じに見えないように、ただ純粋に『患者さんにご飯を食べてほしいんだよ』『患者さんを助けたいんだよ』という気持ちを込めました」

 この日の取材では、柔和な笑顔で穏やかに受け答えする姿が印象的だった中村さん。ドラマや映画では、蒲田のような“強い女性”を演じることが多く、「結構キツい性格というパブリックイメージを持たれていると思う」と自己分析する。

 「実際はすぐに笑っちゃったり、全然違うんですけどね(笑)。以前は元気なイメージもあったと思うんですけど、最近は“仕事ができて自立した女性”という役をいただくことが多いんです」

 自立した女性像を演じる上で、「子供の頃から母親に『早く自立して一人暮らししなさい』とよく言われていたので、幼い頃から“自立”という言葉について考えることが多かったように思います」と振り返り、「だから、そういう役を演じるときにスッと入ってくるのかもしれませんね」と語る。

 ◇今後、演じてみたい役は?

 これまでに刑事や秘書、動物病院の看護師などさまざまな役を演じてきた中村さん。意外にも外科医役は初めてだといい、「今回演じさせてもらった蒲田は手術シーンがなかったので、手術シーンも演じてみたいです」と意欲を見せる。

 「ありがたいことに、これまでにたくさんの職業をやらせていただいたんですけど、誰かを助けたり、救うまでの道のりを描いた作品も好きなので、医師役はもちろん、救助隊のような役にも挑戦してみたいです。私自身、体を動かすことが得意なので、頭脳派というよりは体を張った役も自分らしくていいなと思います」

 現在37歳の中村さんは、「年齢的には母親役にもチャレンジしたい」と意気込みを語る。

 「自立した女性、かっこいい女性はイメージがつかめるのですが、お母さんの役って本当に未知数なんです。母親になったことがないから、友達の子どもぐらいしか分からなくて。でも年齢的に母親役をいただく機会も増えてくると思うので、分からないなりに模索しながら挑戦したいですね。『やってみたい!』という好奇心は旺盛なので、どんな役にもチャレンジしたいです」と目を輝かせた。

 「おむすび」の放送も、残すところあと2週。中村さんは「ラストに向かって、食事や家族愛、いろんな人との人間ドラマが描かれていきます。最後まで見届けてもらえたらうれしいです」と呼びかけた。

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