解説:「声優アワード」10年前の受賞者が豪華すぎる! 新人だった花江夏樹、上田麗奈 μ’sも

2015年に開催された「第9回 声優アワード」の授賞式
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2015年に開催された「第9回 声優アワード」の授賞式

 1年で最も活躍した声優を表彰する「声優アワード」。第19回となる今年は、3月15日に授賞式が行われ、劇場版アニメ「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の鬼太郎の父を演じたことも話題になった関俊彦さん、「転生したらスライムだった件」の主人公・リムル役などで知られる岡咲美保さんが主演声優賞に選ばれ、中村悠一さんがMVS(Most Valuable Seiyu、ファンが選ぶ最も活躍した声優)を2年連続で受賞するなど話題になった。毎回、旬の声優が顔をそろえる声優アワードだが、中でも10年前の2015年に授賞式が開催された第9回は、まさにつわものぞろいで、現在も多くの作品で主演級の活躍を見せる声優が各賞を受賞している。10年前の声優アワードを振り返る。

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 ◇新人賞は現在の主役常連声優

 第9回の選考対象は、2013年12月1日~2014年11月30日に発表された作品で活躍した声優。まず、毎回フレッシュな顔ぶれがそろう新人男優賞、新人女優賞(現在は統合し、新人声優賞)を見てみると、男性陣は、花江夏樹さん、斉藤壮馬さん、逢坂良太さんが受賞した。当時、花江さんは「アルドノア・ゼロ」の界塚伊奈帆役、「四月は君の嘘」の有馬公生役、「東京喰種トーキョーグール」の金木研役などで注目を集めた。斉藤さんは「アカメが斬る!」のタツミ役、「残響のテロル」のツエルブ/久見冬二役など、逢坂さんは「シドニアの騎士」の谷風長道役、「ガンダム Gのレコンギスタ」のクリム・ニック役などが話題になった。ちなみに、斉藤さん、逢坂さんは、花江さんが出演する「鬼滅の刃」で共に“鬼”を演じているのも興味深い。

 女性陣は、上田麗奈さん、雨宮天さん、洲崎綾さんが受賞した。当時、上田さんは「ハナヤマタ」で主人公・関谷なるを演じ、注目を集めた。雨宮さんは、花江さんと同じく「東京喰種トーキョーグール」で霧嶋董香役、斉藤さんと同じく「アカメが斬る!」でアカメ役を務めた。また、藤宮香織を演じた「一週間フレンズ。」、エリザベスを演じた「七つの大罪」第1作も2014年に放送されており、躍進の年だったことがうかがえる。洲崎さんも、2014年に「アイカツ!」の夏樹みくる役、「シドニアの騎士」の星白閑役で注目を集めた。第9回の新人賞は、現在まで長く愛される名作で実力を発揮した“新星”がそろっていた。もちろん、現在も数々の人気作で魅力的なキャラクターを演じ続けている。

 ◇主演男優賞は小野大輔 歌唱賞はμ’s 神谷浩史も

 主演男優賞、主演女優賞(現在は統合し、主演声優賞)は、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの空条承太郎、「ばらかもん」の半田清舟役などで注目を集めた小野大輔さん、「アナと雪の女王」でアナを演じた神田沙也加さんが受賞した。小野さんは、第4回に続き2度目の主演男優賞受賞で、パーソナリティ賞との2冠を達成し、話題になった。

 10年前の声優アワードでは、「ラブライブ!」のスクールアイドルグループ「μ’s(ミューズ)」が歌唱賞を受賞したのも印象的だ。μ’sは、この年の年末に「第66回NHK紅白歌合戦」に出場。シナジー賞を受賞した「妖怪ウォッチ」もこの年の紅白の特別企画に登場した。また、今年10周年を迎える声優ユニット「Wake Up,Girls!」が特別賞に選ばれた。

 現在の声優アワードでもファンの注目を集めるMVSの前身となった最多得票賞は、神谷浩史さんが受賞している。最多得票賞は2012年の第6回に新設され、当時、神谷さんは4連覇を達成。翌年の第10回でも神谷さんが受賞し、5連覇達成で殿堂入りすることになる。なお、MVSが新設された2019年の第13回、第14回も神谷さんが選ばれ、すさまじい人気を見せつけた。

 ほかにも、助演男優賞、助演女優賞(現在は統合し、助演声優賞)に小西克幸さん、森川智之さん、沢城みゆきさん、花澤香菜さんが選ばれるなど、豪華声優陣がそろった10年前の声優アワード。現在も第一線で活躍している声優陣に改めて驚かされる。

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