大島渚監督:喪主・小山明子「出棺のとき顔が美しかった」 涙で最後の別れ

出棺前にあいさつをする大島渚監督の妻で喪主を務めた女優の小山明子さん
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出棺前にあいさつをする大島渚監督の妻で喪主を務めた女優の小山明子さん

 15日に肺炎のため亡くなった大島渚監督の葬儀が22日、築地本願寺(東京都中央区)で営まれ、雨の中、映画関係者やファンら一般献花者約700人が参列した。喪主を務めた大島監督の妻で女優の小山明子さんは、出棺を前に「映画人として皆さんに愛され、たくさんの人に見送られ幸せだったと思う。美学を貫き、出棺のとき顔が美しかった」と涙を見せながら、「天国で(昨年10月に逝去した映画監督の)若松孝二さんとお酒を交わしていることでしょう。長い間ありがとうございました」とあいさつをした。

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 大島監督のひつぎは、映画「御法度」(99年)に出演した松田龍平さんらによって担がれた。出棺にあたっては、音楽家の坂本龍一さんが手がけた映画「戦場のメリークリスマス」(83年)のテーマ曲「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」がかけられ、参列者らは大島監督のひつぎを乗せた車を見守り、最後の別れを告げた。

 葬儀では、坂本さんをはじめ、ジャーナリストの田原総一朗さん、松竹の大谷信義会長、作家の澤地久枝さん、篠田正浩監督、日本映画大学の佐藤忠男会長が弔辞を述べた。また、映画監督の山本晋也さん、エッセイストでタレントの阿川佐和子さんらゆかりのある人たちが続々と駆けつけた。

 大島監督は京都市生まれ。京都大卒業後の54年、松竹大船撮影所に入所し、59年「愛と希望の街」で監督デビュー。83年に「戦場のメリークリスマス」で毎日映画コンクール日本映画大賞などを受賞。96年、新選組を題材にした「御法度」製作発表直後、出血性脳梗塞(こうそく)で倒れ入院し、後遺症は残ったが、99年に映画を完成させ、カンヌ国際映画祭に出品した。00年に紫綬褒章。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍した。(毎日新聞デジタル)

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