注目映画紹介:「ストロベリーナイト」 2人の男が1人の女を巡って火花を散らす描写にゾクゾク

映画「ストロベリーナイト」の一場面 (C)2013 フジテレビジョン S・D・P 東宝 共同テレビジョン FNS27社 光文社
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映画「ストロベリーナイト」の一場面 (C)2013 フジテレビジョン S・D・P 東宝 共同テレビジョン FNS27社 光文社

 誉田哲也さんの人気小説「姫川玲子」シリーズを、竹内結子さん主演で映画化した「ストロベリーナイト」が26日に封切られた。同シリーズを原作に、これまでスペシャルドラマと連続ドラマがフジテレビ系で放送されているが、今作は09年に発表された「インビジブルレイン」が原作。小説のタイトルにちなみ、ほぼ全編、雨の中で物語が進行するのが、見どころの一つだ。

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 警視庁捜査1課の刑事、姫川玲子(竹内さん)率いる姫川班の管轄で連続殺人と思われる事件が発生。玲子は、犯人を名指しするタレコミ電話を受けるが、上層部はその情報をひねり潰そうとする。単独捜査を開始した玲子は、牧田という男と知り合い……という展開。

 姫川班のメンバー、菊田和男(西島秀俊さん)、葉山則之(小出恵介さん)、石倉保(宇梶剛士さん)、湯田康平(丸山隆平さん)による、ナイスな“姫サポート”ぶりは健在。井岡博満巡査部長(生瀬勝久さん)、玲子の天敵“ガンテツ”こと勝俣健作警部補(武田鉄矢さん)のウザさも相変わらずだ。かと思えば、橋爪俊介警視(渡辺いっけいさん)は、ドラマ以上の玲子いびりを見せ、半面、日下守警部補(遠藤憲一さん)は、ドラマのときとは一味違う表情で好感度をアップさせる。

 しかしなんといっても目玉は、レストランで見事な豹変ぶりを披露する大沢たかおさん演じるヤクザ・牧田勲の存在。素性を知らないまま彼に引かれていく玲子と、そんな彼女を不安そうに見守る菊田。玲子を中心にした三角関係が、雨の中の映像に映える。2人の男が1人の女を巡って火花を散らす……。その静かだが生々しい描写になんだか妙にゾクゾクした。監督は、テレビシリーズから続投の佐藤祐市さん。なお、公開当日夜には、今作の後日譚(たん)が5本の短編で描かれるスペシャルドラマ「ストロベリーナイト アフター・ザ・インビジブルレイン」がフジテレビ系で放送される。こちらを見れば、映画がより楽しめるかもしれない。26日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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