くじけないで:八千草薫主演で映画化 詩人・柴田トヨさんの半生描く

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 今年1月に101歳で亡くなった詩人の柴田トヨさんの半生が、女優の八千草薫さん主演で映画化されることが明らかになった。題名は「くじけないで」で、90歳を超えたトヨさんに詩作を勧めた一人息子の健一さん役で武田鉄矢さんも出演。トヨさんの詩に乗せ、その半生を、家族との関係を軸に丁寧に描き出すという。13年秋公開予定。

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 「くじけないで」は、90歳を超えてから詩を書き始めた柴田さんが、09年に発表した処女詩集。前向きな作風が中高年女性を中心に共感を集め、詩集としては異例の160万部を超えに。100歳を迎えた11年に出版した2作目の詩集「百歳」も40万部のベストセラーとなった。

 映画では、「くじけないで」と「百歳」で、柴田さんが書いた詩に乗せ、実際にトヨさんがどのような思いで詩を書き始め、書き続けたのかといったエピソードや、詩集の背景となった家族のドラマなどを通じて、トヨさんの半生を丁寧に描き出すという。映画「60歳のラブレター」や「神様のカルテ」の深川栄洋監督がメガホンを取り、脚本も担当する。

 八千草さんは、トヨさんの詩に「身近にある小さな幸せを改めて気づかせていただきました。息子さんと2人の詩作りも、どんなに楽しく幸せだったことでしょう。この映画の中で、トヨさんとご一緒に旅を続けていきたいと思います」とコメント。武田さんも「トヨさんの詩はまっすぐです。どの詩も若くはつらつとしています。まるで少女のようです。映画の中でお会いできる日を心待ちにしています」と語っている。

 また、深川監督は、トヨさんが亡くなったのは映画製作が決定した3日後だったことを明かし、「トヨさんは八千草薫さんと武田鉄矢さんが演じられると知り、とても喜ばれたと聞いています。 母と子供の愛情の物語をトヨさんの詩を縦糸として、トヨさんの詩が持つ深い優しさや人間のおかしみを丁寧につむいでいこうと思います」と思いを語っている。

 映画「くじけないで」は4月にクランクインし、今秋に全国ロードショー予定。(毎日新聞デジタル)

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