名探偵コナン
#1195「館ミステリー 渦巻館(前編)」
3月28日(土)放送分
日本を代表するポップカルチャーの一つ「マンガ」と、情報の収集に欠かせないインターネットの関係に変化が起きている。出版業界にとってネットは、出版不況の原因とされたり、一部の心ない人たちが無断で作品を流して著作権侵害の場となるなど、これまでどちらかというと相性の悪さばかりが目立ってきた。しかし最近、ネットの口コミで火がつきヒットするマンガが次々と登場しており、業界もその影響力を無視できなくなっている。(毎日新聞デジタル)
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全国出版協会・出版科学研究所が発行する12年の「出版指標年報」によると、11年のコミックス、マンガ誌の推定販売金額は約3900億円で10年連続で減少している。背景にはインターネットの普及などがあるといわれる。
出版業界を悩ませるネットだが、最近、逆に読者をつかむツールとして注目されている。各社が注目するのは、ネットに書き込まれる作品の感想「口コミ」。影響力のある人気のブログやツイッターで取り上げられると、話題の善しあしにかかわらず販売数がアップし、ネットの書き込みから人気に火がつく作品が次々と出てきている。
その代表的な作品が無料のウェブマンガ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」だ。内気な女子高校生が妄想を膨らませて妙な行動をとるというコメディータッチの作品で、印象抜群の題名と異色の内容から、コミックス発売前から一部で熱烈な人気を博した。昨年1月の1巻発売時、発売元のスクウェア・エニックスは、初版部数を多めの2万5000部にしたが1週間も持たずに売り切れ、2カ月で10万部を売り上げ、1年間で100万部(1~3巻)を超えた。同社出版営業部の白石知也さんは「何もしなくても急に部数が伸びた場合は、分析するとネットで話題になっていたりするんです」と明かす。
ネットの影響力はマンガ最大手の集英社も無視できない。昨年4月、同社のラブコメディー「俺物語!!」についてコミックス1巻発売直後、書店員らがツイッターを使った“座談会”を開き、書店員が一ファンとして作品への思いを熱烈に語った。すると全国の書店に「俺物語!!」コーナーが次々と出現し、今月25日に出る3巻で累計100万部に迫る勢いだ。同社コミックス販売課の笹岡克宏さんは「ネットの口コミは、作品を手に取るきっかけになるので大事。作品への入り口のひとつとして重要視しています」と語る。
さらにネットと“共存”するマンガも出てきている。東大卒の現役医師が原作を手掛ける「マンガで分かる心療内科」(少年画報社)は、コミックスと同じ内容のものをサイトで半分を無料公開しているにもかかわらず、コミックスはシリーズで200万部を発行するほどの人気ぶり。同社の担当者・村岡志保さんは「紙だと(話の内容がきわどいので)企画がつぶれていたかもしれませんが、ウェブでお客さんをつかんでいたのが大きい。またウェブで見る人と(紙の)本を買う層は別だと思います」と分析する。
出版不況の中、ますます影響力を増すネットだが、問題点も浮き彫りになっている。東京・八王子のマンガ専門店「まんが王」の日吉雄さんは「ネットの拡散力は、不安になるほどすごい。ただ話題として取り上げられる場合は、作品性ではなくとっぴな話や題材が重視されやすく、内容が伴わない作品が売れる弱点があります。要は使い方次第だと思います」と指摘する。
ネット受けを狙うあまりともするとマンガ作りは話題性重視となりかねず、話題性は乏しいが作品性の高いマンガが駆逐されることにもなりかねない。情報があふれるネット社会だからこそ逆に読者一人一人が自ら作品を見極める目が必要とされるだろう。
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