北野武:東スポ映画大賞「アウトレイジ ビヨンド」が3冠 “男優賞”12人、続編に意欲も

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 タレントのビートたけしさんが審査委員長を務める「第22回東京スポーツ映画大賞」の授賞式が23日に東京都内で行われ、北野武名義で監督した「アウトレイジ ビヨンド」のメーンキャスト12人が「男優賞」を受賞した。たけしさんは「これだけの役者がそろうと普通つぶれちゃうのに、みんなが目立ってた」と語り、「映画の成功はみなさんのおかげ。出た人みんなが映画のパーツを背負ってくれた。だから、今回は主演・助演賞はなくしました」と授賞理由を語った。「今度は『3』だね。双子の兄弟が現れたぞって。みんな生き返って」と次回作にも意欲を示していた。

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 三浦友和さんや加瀬亮さん、中尾彬さんら豪華俳優陣が黒いスーツに身を包み、ずらりと壇上に並ぶと、その迫力にたけしさんは「なんか勘違いして警視庁が外で張ってるかも」とおどけながら、「力のある役者さんはちゃんと自分の仕事をするから、編集が大変だった」と振り返った。加瀬さんは「監督からこんな賞をいただけるなんて、こんなうれしいことはありません」といい、三浦さんは「いろんな映画賞があるなかで信用度2番目のこの賞をいただけて感謝しています」とジョーク交じりに喜びを語った。

 「東京スポーツ映画大賞」は、92年から東京スポーツ新聞社が主催する映画賞で、日本各地の映画賞主催者が選んだノミネート作品から、審査委員長であるたけしさんが最終的に選考し、独断と偏見で賞を与えるというもの。今回は、男優賞のほか「アウトレイジ ビヨンド」が作品賞、監督賞の3冠を達成した。

 また、特別賞には、たけしさんが「戦場のメリークリスマス」などにも出演した故・大島渚監督が選ばれた。たけしさんは「常に新しいものを問題提起していた。あの時代に(『戦場のメリークリスマス』で)デビッド・ボウイと坂本(龍一)くんとおれをキャスティングしたのはすごい」とたたえ、「もっとこれから大島さんの映画を見るチャンスがあると思うので、こんな時代にこんな映画があったんだっていうのを見てほしい」と語った。

 なお、当日は同賞に併設して01年からスタートした「第13回ビートたけしのエンターテインメント賞」の授賞式も行われた。(毎日新聞デジタル)

 ◇「第22回東京スポーツ映画大賞」受賞は次の通り。(敬称略)

 作品賞:アウトレイジ ビヨンド▼監督賞:北野武(アウトレイジ ビヨンド)▼男優賞:西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁(アウトレイジ ビヨンド)▼主演女優賞:松たか子(夢売るふたり)▼新人賞:マキタスポーツ(苦役列車)▼外国作品賞:ドライヴ▼特別賞:故・大島渚監督

 ◇「第13回ビートたけしのエンターテインメント賞」受賞は次の通り。(敬称略)

 日本芸能賞:バイきんぐ、ハマカーン、アルコ&ピース、キンタロー。ももいろクローバーZ、ゴールデンボンバー▼話題賞:壇蜜▼カムバック賞:高田文夫、鉄拳▼特別賞:松井秀喜、高見盛

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