市川團十郎さん:雨の本葬に2500人 海老蔵「父の子で幸せ」

1 / 46

 3日に肺炎のため亡くなった歌舞伎俳優の市川團十郎(いちかわ・だんじゅうろう、本名・堀越夏雄=ほりこし・なつお)さんの本葬が27日、青山葬儀所(東京都港区)で営まれ、小雨の中、歌舞伎俳優やファンら約2500人が参列した。喪主は長男の海老蔵さんが務め、團十郎さんについて「とても寂しいです。しかし、父の子として生まれて本当に幸せです。父は若くして、父と母をなくし、白血病という大病に2度なり、息子が私という苦労の絶えない人生でした。しかし、家族の前では、いつも優しく、大きく、ドーンとしていた」と話し「父は皆さまに感謝する心を大切にする人でした。父に代わりいわせてください。皆さま、本日は本当にありがとうございました」と参列者に感謝の言葉を述べた。

あなたにオススメ

 葬儀では、歌舞伎俳優の尾上菊五郎さんや坂田藤十郎さん、松竹の迫本淳一社長、作家の三浦朱門さん、森喜朗元首相が弔辞を述べた。さらに、松本幸四郎さんや中村橋之助さん、三田寛子さん、市川猿之助さん、市川中車さん、尾上菊五郎さん、尾上菊之助さん、北大路欣也さん、米倉涼子さんらが駆け付け、團十郎さんに最後の別れを告げた。

 祭壇には、3000本の白い菊や600本のカーネーションなどがあしらわれ、フランス政府から贈られた芸術文化勲章コマンドゥールなどが飾られた。遺影は、昨年11月に撮影された写真が使用された。

 團十郎さんは東京生まれ。江戸歌舞伎の名門・市川宗家十一代目團十郎の長男で、1953年に市川夏雄を名乗って初舞台を踏んだ。58年に六代目市川新之助、69年に10代目海老蔵を襲名。85年には、十二代目團十郎を襲名し、初の米国での襲名公演も行った。04年に歌舞伎座出演中に体調不良を訴えて入院。「急性前骨髄球性白血病」と診断された。08年には骨髄移植を受けるなど闘病しながら舞台を続けた。辞世の句は「色は空 空は色との 時なき世へ」。(毎日新聞デジタル)

写真を見る全 46 枚

芸能 最新記事