ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
累計発行2億8000万部を誇る尾田栄一郎さんの大ヒットマンガ「ONE PIECE(ワンピース)」。テレビアニメ、ゲーム、グッズなど、さまざまなジャンルで展開され“空前のメガヒットコンテンツ”となっている。マーケティングを専門に行う産業能率大学・情報マネジメント学部の小野田哲弥准教授は、「カナヅチという代償と引き換えに特殊な能力が手に入る『悪魔の実』の存在こそが、『ワンピース』の最大のオリジナリティーではないだろうか」と話す。男女1万人を対象に行ったネット調査をもとに、ヒットの理由を分析した。(毎日新聞デジタル)
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「ワンピース」は、悪魔の実「ゴムゴムの実」によって、手足などがゴムのように伸びる麦わら帽子の青年モンキー・D・ルフィが、海賊王を目指して仲間とともに大海原を冒険するという物語。97年から週刊少年ジャンプ(集英社)で連載され、99年からテレビアニメが放送されている。
小野田准教授はこのほど、東京都内で行われた産業能率大学主催の勉強会「『ワンピース』メガヒットの構造を徹底分析」に出席。20~60代の男女1万人を対象に、12年5月21~22日にインターネットで実施した「好きなキャラクター」と「食べたい悪魔の実」についてのアンケート調査とデータ分析結果を発表した。
マンガに登場する約600キャラクターのうち、好きなキャラクターについて聞いた「人気キャラクター」の集計結果では、1位はルフィ、2位はチョッパー、3位はゾロ、4位はナミ、5位はサンジと「麦わらの一味」のメンバーが上位を占めた。相対的に男性支持率が高いキャラクター順では、1位に王下七武海のミホーク、2位に元海軍大将の青キジ、3位に四皇の白ひげがランクインしたほか、4位にナミ、11位に王下七武海のハンコック、24位にスリラーバークのペローナが入った。
小野田准教授は、「男性から人気のあるキャラクターは、非常に高い戦闘力を持つ強いキャラクターや組織のボス。一方で、男性に人気のある女性キャラクターは、ハンコックのような妖艶(ようえん)な美女から、ペローナのような萌え系の美少女まで非常に多種多様。男性が自分が好きなタイプにあうキャラクターが存在するという点も人気を支えてる一つ」と分析した。
相対的に女性支持率が高いキャラクター順では、1位にチョッパー、2位にサンジ、3位にアラバスタ編のカルーがランクインしたほか、9位にバロックワークスのボン・クレー、11位に頂上戦争編のイワンコフがランクイン。小野田准教授は、「トナカイのチョッパーやカルガモのカルー、クジラのラブーンなど、かわいい動物キャラクターが多く登場するほか、戦闘面でも強く、コックとして料理も一流の腕を持つようなサンジなど、いざという時に頼れるような男性キャラクターが女性の心をつかんでいる。また、(ボン・クレー、イワンコフのような)威勢のいい“オカマキャラ”も人気」と話した。
一方で、「食べたい悪魔の実」について聞くと、1位は透明人間になる能力を持つアブサロムの「スケスケの実」で、2位はルフィの「ゴムゴムの実」、3位は雷攻撃ができるエネルの「ゴロゴロの実」、4位は空を飛べたり物を動かしたりできるシキの「フワフワの実」、5位は美肌になれるアルビダの「スベスベの実」だった。「スケスケの実」を食べてみたい理由について、男性は「男の夢だから」と全世代からの支持があり、女性からも「夫の浮気調査をしたい」などの理由から人気を得た。
「キャラクター」と「悪魔の実」のそれぞれの人気度は単純に比例するのかを分析する「ポートフォリオ分析」を行った結果について、小野田准教授は、「『人気キャラクター』であり、かつ『悪魔の実』でも人気を集めた唯一のものは、ルフィ(ゴムゴムの実)だった」と紹介。ポートフォリオ分析によると、悪魔の実で人気だった「スケスケの実」の実の能力を持つアブサロムの人気は下位だった一方、人気キャラであるチョッパーの「ヒトヒトの実」は、悪魔の実としての人気は低かった。
これらの分析結果をふまえ、小野田准教授は、「ワンピース」のヒットの理由について、「悪魔の実が相乗効果となって、キャラクターの魅力を高めている。また、『ドラえもん』の『ひみつ道具』のように、物語とは別に、次はどんな悪魔の実が出てくるのだろう?と尽きない興味がそそられる。さらに、先天的な能力と生い立ちや性格や悪魔の実を掛け合わせることによって、バラエティー豊富な世界観が描かれてリアリティーとなっている」と分析。
また、「悪魔の実」は、長編マンガに不可避である、なかなか新たな顧客を獲得できないことや、ファンが離れてしまうという2大リスクを解消しているといい、「悪魔の実の能力が独立して存在していることによって、ストーリーの詳しい背景を知らなくてもすぐに入りやすい。また、今後どんな悪魔の実が登場するのかどうかや、キャラクターがいつ登場するのか関心が尽きないので、物語が一時的につまらなくなっても決して離れない」と分析。最後に、「『ワンピース』は、マーケティングの教科書と言えるような作品。尾田先生は稀代のマンガ家にして、マーケターではないか」と話した。 (毎日新聞デジタル)
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