女優の桃井かおりさんが23~30日に宜野湾市、那覇市など沖縄県内各地で開催された第5回沖縄国際映画祭の審査員として同映画祭に初参加した。国内外の映画祭に積極的に参加している桃井さんは、映画祭での出会いやつながりから仕事の場を広げているという。世界の映画祭の魅力や「桃井かおりを求められない」という海外での仕事の様子などについて、桃井さんに沖縄で話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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桃井さんにとって映画祭は「世界の新しい監督の作品が見られる」場であると同時に「新たに監督と出会い、仕事につながる」場。桃井さんは「自分が出演した作品が賞をとって各国の映画祭で上映されると、それを見た監督から声が掛かったりしてどんどんつながっていく」と声を弾ませる。今年も桃井さんが主演するラトビアの映画が欧州で公開されることが決定しているが、同作を監督したマリス・マーティンソン監督との出会いも映画祭だったという。
現在、米ロサンゼルスを拠点に活動中の桃井さんだが、海外での仕事の醍醐味(だいごみ)や日本との違いについて、「日本にいると『桃井かおり』になっちゃうから」という。「日本での(オファーされる)仕事が桃井かおりっぽくて、桃井かおりのコントみたいになっているのよね。だから(桃井さんのものまねをしている)椿鬼奴さんとか清水ミチコさんに聞いちゃうときもあるのよ。『桃井かおりってどんな感じだっけ?』って」と笑う。「(対して海外は)私がどこの国の人か、年齢も分からなくなっちゃう。中国人の役とか演じているし。桃井かおりという枠で終わらない。いろんな人間になれる」と喜ぶ。
一方で、桃井さんは海外の仕事で「本来の俳優の姿に戻れる」とも。「私が出会う監督たちは実験的な人が多い。俳優の発想を期待している監督。だから私がどういう作品に出たいかということを伝えられる。日本語だと議論になっちゃうけれど、英語だと自分にハンディがあるから(言葉で訴えるよりも)『やってみよう』という方向にいって、正常な(本来の)俳優の姿に戻れるのよ」と明かす。「英語でやるから(桃井かおりさんの口調の)『なのよねー』っていう私の手口は使えない。俳優修業としては相当いいわよ」といたずらっぽい表情を見せた。
今回、沖縄国際映画祭に初参加した桃井さんから見た同映画祭の印象は、「来る前は沖縄国際映画祭がどれくらいの作品を扱っているのか知らなかったけれど、来てみたらレベルがすごく高くて驚いた。最初は吉本の人たちが映画を撮って上映する場所がないから作ったのかなーって軽く見ていたんだけれど……」と驚きを隠せない様子。審査委員長の米のジョエル・シュマッカー監督、デーモン小暮閣下、カナダのクロード・ガニオン監督ら審査員で映画祭初日にレッドカーペットを歩き、「オープニングのときの地元の人たちの応援の仕方がすごかった。映画祭を盛り上げる力が地元にあると感じるし、これからいい映画祭になっていくんじゃないかな」と期待を寄せていた。
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