はじめの1巻:「新米婦警キルコさん」 人並み外れた新米婦人警官が大暴れ

平方昌宏さんのマンガ「新米婦警キルコさん」(集英社)1巻の表紙
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平方昌宏さんのマンガ「新米婦警キルコさん」(集英社)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、週刊少年ジャンプ(集英社)で連載され、新米婦人警官が人並み外れた戦闘力で街の平和を守ろうと奮闘する平方昌宏さんのコメディー「新米婦警キルコさん」です。

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 「特殊部隊にいた元雇い兵」というふれこみで辺境の町に新米婦人警官・音無キルコがやってきた。しかし赴任1週間で、「いつも刃物みたいなものを持っている」「車をつぶした」などのうわさがたち、30人の不良を1人でなぎ倒すなど毎日、問題を起こしている。そのたびに、教育係の先輩警官・安錠春樹(ハル)は減俸処分を受け、ついにクビ寸前。ハルは手柄をあげてクビを回避しようと、キルコを連れて町のパトロールに向かう。

 ◇編集部からのメッセージ 週刊少年ジャンプ編集部 本田佑行さん 「ちょっと……盛り過ぎではなかろうか?」

 眼帯で巨乳でグルグル眼で緑髪で両手に凶器を携えた、元雇い兵の婦警さん。

 「次の作品の主人公はこいつです!」

 平方先生が勢い込んで、キルコさんのキャラデザを見せてくれた時、担当が見せた表情は多分、今皆さんが見せているであろう表情と同じです。……こいつはちょっと……盛り過ぎではなかろうか?

 ところが、平方先生が描き始めた「キルコさん」は、担当の予想を軽々と超え、やたら生き生きと動き始めました。ドジでメンタル激弱で、戦場育ちだったために常識にうとく、ちょっとズレてて失敗ばかり。喜怒哀楽をまったく隠さず、コロコロ表情を変えながらけなげに頑張るキルコさん。最初の印象も何のその、いつの間にか担当はキルコさんの魅力の虜(とりこ)になっていました。

 調子に乗って平方先生と一緒に、キルコをいろんな所に連れて行き、いろんな人に出会わせ、いろんな無理難題を押し付けてゲラゲラ笑っていたら、あれよあれよといううちにキルコさんはその雇い兵上がりの脚力で週刊少年ジャンプの連載へと勝手に駆け上がって、あまつさえコミックスにまでなっちゃいました。

 皆さんもぜひ、コミックスを手にとっていただいて、元気いっぱいなキルコさんを見てやってください。そのうち、キルコさんの可愛さに気が付いて、いつの間にか担当と同じように、キルコさんのことが大好きになっている!……といいなあ、と思っています。

 よろしければ、うちのキルコをよろしくお願い致します。

 ◇書店員の推薦文 まんが王八王子店 渡邉泰弘さん 「ほのぼのストーリーに癒やされる」

 「お騒がせヒロインが周囲の人間を巻き込んでドタバタ模様を繰り広げるコメディーストーリー」の体裁をとった、週刊少年ジャンプ掲載作品では珍しいタイプの武闘派女性主人公作品です。

 本作品のヒロイン「キルコさん」はビジュアル、性格の両面でキャラクターの可愛さが群を抜いています。“属性てんこ盛り”と形容された眼帯、巨乳、まゆ無し、緑髪、etc……という個性的極まりない外見で、百面相さながらの豊かな表情を周囲に振りまきます。さらには、一の小事を百の大事に変えてしまう彼女の手加減を知らぬ“へっぽこ&ドジっ娘”ぶり。

 都市開発から切り捨てられた辺境の田舎町を舞台に、元雇い兵の新米婦警が闇にうごめく犯罪者を相手に八面六臂(ろっぴ)の大活躍!! ……なーんて夢を見ていたのは「キルコさん」ただ1人。あまたの死線をくぐり抜けてきた強大な戦闘力も戦場ではせた勇名も何もない田舎町では役には立たず、ただの下着泥棒を相手に本気の衝撃波を放ち、さらなる損害を町にもたらす始末……。

 しかし、それでも彼女に残された無邪気な性格と、仕事へのいちずさが町の住人たちの心をつかみ、いつしか皆に愛される婦警さんへと認められてゆく彼女の活躍を追ったほのぼのストーリーに心癒やされる、読んで楽しい見て楽しいオススメの作品です。

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