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項羽と劉邦:「今年ブームになってくれたら」 声優2人が二大英傑を語る

テレビ

 古代中国を舞台にした歴史ドラマ「項羽と劉邦 King’s War」が20日から、WOWOWで放送を開始する。「三国志」と並び、日本でも小説やマンガなどで親しまれている中国の二大英傑の物語で、劉邦を同国の国民的俳優のチェン・ダオミンさん、項羽を台湾の人気俳優、ピーター・ホーさんが演じている。その2人の日本語吹き替えを担当している声優の野島昭生さんと内田夕夜さんに、項羽と劉邦それぞれの魅力や、ドラマの見どころなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

 ドラマは、秦王朝滅亡後、項羽と劉邦の間で紀元前206年から5年にわたって中国全土で繰り広げられる楚漢(そかん)戦争を描いた作品。中国ドラマ史上最高となる約35億円の制作費をかけた全80話からなる歴史巨編となっている。本国では12年12月に放送を開始した。

 物語は、秦朝末期、始皇帝の死後に国政を掌握した趙高(ちょうこう)に操られた皇帝・胡亥(こがい)の圧政に耐えきれなくなった民衆は各地で次々と蜂起。反乱軍の中には、24歳の項羽と46歳の劉邦がいた。勇敢で戦に優れる項羽は天下義軍のリーダーとなり「西楚の覇王」と名乗る。一方、民情を理解し人を使うことに優れていた劉邦も次第に勢力を拡大し、戦いの中で義兄弟の契りを結んだ項羽と劉邦はついに秦を倒す。だが悲願を果たすと、2人は天下を奪い合うライバルへと変わっていく……という内容。野島さんが劉邦、内田さんが項羽の吹き替えを担当する。

 −−劉邦と項羽、それぞれ演じるキャラクターはどういう人物だと思いますか?

 野島さん:劉邦は、一言でいえばひょうひょうとした、あんまり自信がない気楽な男なんじゃないかな、最初は。それがだんだん学んできて、変わっていく。自分では人望が厚いとは気付かず、自分に自信がないから人の話を聞いて、それが人の信用を集めるという人物。あとは、こいつはいいやつとか、そういうのが分かる“第六感”みたいなのが備わっているんじゃないかな。

 内田さん:イメージとしては無垢(むく)な人。「ほしいものはほしい」とか、子供のような感覚を持っていて、いい意味でも悪い意味でも無垢な心を持ち続けた人かな。

 −−項羽と劉邦は日本でもおなじみのキャラクターですが、演じることが決まったときの気持ちを教えてください。

 野島さん:正直な話、こういう歴史は興味ないというか、知らなかった。調べたら、「すごい、どうしよう」って(笑い)。この話は過去にもいろんな作品がある中で、このドラマはこのドラマなりの面白さがあると思う。自分も一視聴者みたいな感じで毎回リハやってます。

 内田さん:野島さんもおっしゃったけど、この項羽と劉邦はこれでしかない。ある意味、視聴者と同じ感覚を持って、台本に向かった方がいいと思いました。項羽と劉邦って男の生き方の“こっちとこっち”(対照的)のようなもの。その片方を演じることができるのは面白い。

 −−アフレコで苦労したことはありますか?

 野島さん:(歴史ドラマなので)どの程度、昔の言葉にするのか、自分の中で迷いながらやっているのはあります。時代というものを意識してやってます。

 内田さん:収録が週1回あるんですが、作品の中で「3年後に会おう」というせりふがあって、実際に会うのが1週間ぶりでも、それを1週間の間隔でやらないように、時間を凝縮していく感覚を忘れないようにという意識を持っています。

 −−それぞれのキャラクターの魅力はどこだと思いますか。

 野島さん:項羽は純粋でピュア、自信過剰でなんですけど、劉邦は自信がないので、そこがかえっていろんなところでよい方に物事が転がっていく。得な人だなと思ってます。いいなと。俺の人生もそうだったらよかったのにって(笑い)。

 内田さん:項羽はまっすぐさや純粋さがある。最終的には死んでしまうけど、それでも王に上り詰める人。それなりの人望や人が付いてくる何かがなければいけない。それが何かと考えたときに、うそがないということかなと。劉邦は生き残っていく、生活していくということが大事であって、項羽は何かを成すれば生きなくていいというまっすぐさに人が付いていったのではないかと。

 野島さん:劉邦と項羽というのは、うそは嫌いだし、まっすぐな部分もある。極端だけど、そういう共通点あるんだね。いい国を造ろうという根本的なところは一緒だと思う。

 −−項羽と劉邦は対照的ですが、2人はどちらのタイプですか?

 野島さん:劉邦タイプですね。お酒が好きだし(笑い)。自信家でもないし、割と気楽にひょうひょうと生きるというのが好き。

 内田さん:じゃあ僕は項羽で(笑い)。でも、項羽の思いがよく分かるところがあります。共感というといい過ぎですが、分からなくないという感じ。

 −−演じるにあたって何か心がけていることは?

 内田さん:僕は熱量を高くという感覚でやってます。怒りとか喜びとか、すべての感覚に対して熱量を高く。それが項羽に人が付いて来てくれる大きな要素だと思っていて。あとは、スタジオの雰囲気。雰囲気は作品に乗るので、なれ合いではない和気あいあいさというか。そういう雰囲気には気をつけてます。

 野島さん:今までは、理知的で論理的な役が多かったけど、劉邦は理論的ではないし、ひょうひょうとしていて、それでいて人を見る目があって。そういう今までにない役なので、自分の気持ちを作るのに最初は戸惑いましたね。それだけに挑戦しがいがあって楽しいですけど。やっと劉邦と俺が少しずつ近づいてきた、という感覚が自分の中にはあります。

 −−野島さんと内田さんは、中国ドラマ「恕の人−孔子伝−」の吹き替えなど、過去にも共演経験があるとお聞きしましたが、今回再び一緒に仕事することになり、どのように思いましたか?

 野島さん:うれしかったですよ。知らない人はどういうふうに芝居を作るんだろって考えるけど、知っている人だとよく分かるから、前段階でもやりやすいし、やっていて気持ちも緊張しない。気楽に話しながら仕事に入れる。内田君と知り合いでよかった。

 内田さん:正直をいうと、野島さんと聞いて、前半戦が勝負だと思いました。僕が野島さんに対抗するには、経験のなさとか無知さとかを押し出すこと。歴史物なので話が進んでいけば行くほど、(役の)年齢が上がるし、2人は経験を積んでいく。前半戦のうちにしっかり(役を)組み立てないと、項羽と劉邦という“二つ”にならないと思いました。負けちゃっていると、当たったときの火花が弱いので。あとは、野島さんは、以前の共演時、よくしゃべる役でよどみなくしゃべり、終わった後の飲み屋でそれ以上のよどみなさでしゃべっていた(笑い)。また、そういう楽しい時間がくるんだなと思いましたね。

 −−作品の内容のように、ライバル的な関係ですか?

 内田さん:ライバルとはちょっと違うんですけど、家で100回けいこしてもいけないところを、(2人で)からみ合うといけたりする。それが楽しくてこの仕事をやっているもんです。

 野島さん:そうなんですよ。いい人とからむと、相乗作用でいいものができるんです。

 −−最後に作品の見どころを教えてください。

 内田さん:登場する誰かに焦点を当てて見ると楽しめるかな。いろんなキャラ出てくるので、見終わるまで好きなキャラが三つぐらいできているとありがたいです。

 野島さん:見どころ(の収録)はこれから。まだ十数話しかレコーディングしてないので(笑い)。項羽と劉邦が今年ブームになってくれたらいいなと思います。

 *「項羽と劉邦 King’s War」は、WOWOWプライムで20日から毎週土曜午前9時に2話ずつ放送。初回(第1、2話)は無料放送。全80話。

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