三浦マイルド:「お笑いだけが楽しみだった」 いまさら聞けないネクストブレーク芸人

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 最近テレビやCMでちょくちょく見かけるけれど、実はあんまりよく知らない……。そんな、いまさら聞けない“ネクストブレーク芸人”の基礎知識を、本人たちの言葉を交えて紹介する。今年2月に、ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり2013」で、スギちゃんやキンタロー。さんなど、ほかの芸人が注目を集める中、見事11代目のR-1王者に輝いた三浦マイルドさんに、お笑いに対するこだわりや、今後の活動について聞いた。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 ◇三浦マイルドとは?

 よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪本社(吉本興業)所属のピン芸人。77年10月18日生まれ、広島県出身のO型。ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり2013」の決勝戦では、初戦で「広島弁講座」、ファイナルステージで「道路交通警備員」のネタを披露して、審査員7人全員の票を得て圧勝した。

 芸名の由来は、ピン芸人になった当時、吸っていた好きなたばこが「ラークマイルド」だったから、というシンプルなきっかけだったが「いろいろな候補の中、姓名判断の方に見ていただいて『時間がかかるかもしれないけれど、必ず実を結ぶ名前』だと言われた」と、芸名への思い入れを明かした。スギちゃんが「ワイルドだぜぇ」のネタでブレークしたときは「(自分の芸名と)かぶせてくるな~と思った。あの人が『ワイルド』やるずいぶん昔から、僕が『マイルド』だったんで。スギちゃんが出た時には『何をやらかしてくれんだ!』と思いました」と、冗談めかしながら振り返った。

 ◇本当は漫才がやりたかった

 お笑い芸人を目指したきっかけは「子供の頃からお笑いを見るのだけが楽しみだった」から。好きだったのは「ダウンタウン」で、「本当は漫才をやりたかったんで、3回くらいコンビを組んだこともある」という。しかし「僕が怒っちゃうんです。相方は『もっと楽しくやりたい』と言ってやめていく。コンビは向いていなかった。僕が人を思いやれなかった部分もある」と語る。

 芸歴は今年で13年目。真剣に芸人をやめようかと思ったこともあったという。「09年に『さんまのまんま』で仕事をさせていただいた。それがなかったらやめていたかもしれないですね」と三浦さん。番組出演は、オーディションで勝ち取ったといい「審査をした今田(耕司)さんが『マイルドが一番面白い』と言ってくれた」とうれしそうに語ったが、「(ピン芸人の)ムーディ勝山やエド・はるみに光を当てた番組で、出たらブレークすると言われていたんですが、僕はブレークしきれずに、心苦しかったですね」と、当時の思いを明かした。

 ◇最近の活動は…

 R-1で優勝してからは、月に2、3本だった仕事が1日3本くらいになったとイベントで語っていた三浦さん。最多は「地元に帰ったとき、1日で取材11件」と笑顔で明かした。経験した仕事は「テレビのスタジオ撮影とか、クイズ番組とか。経験値が浅いまま、大きい番組のひな壇にいたりするので必死です。毎日『R-1ぐらんぷり』をやっている感じ」と戸惑っていたが、出演してうれしかった番組を聞くと「(明石家)さんま師匠の『さんま御殿』に出させてもらった」と笑顔を見せた。さんまさんからも「やっと(優勝)取れたな。頼むで」と直接エールをもらったことを明かし、「あとで先輩方に聞いたら、さんまさんはみんなにそう言うらしいですが、僕はそれでもうれしかった」と喜んだ。

 ◇念願のR-1王者 賞金、冠番組は…

 自身の芸風を「万人受けしない」と評する三浦さんは、R-1での優勝を「チャンピオンにふさわしい芸人じゃない、重たいなという思いと、賞金がもらえるという喜びで、頭の中ぐちゃぐちゃでした」と語る。「今ではありがたいですし、チャンピオンと見られる環境の中で自分が成長できる」と気を引き締め、「自分にしかできない、手垢が付いていない芸をやりたい」と、お笑いにかける思いを語った。

 「親に半分プレゼント」「募金したい」と語っていた賞金は、「親からはいらない、自分で使いなさいと断られた」といい、「自分で持って何に使うか、家建てたいな。だから貯金ですかね……」と語っていた。

 優勝者に与えられる冠番組は「自分らしいことができたら。テレビでどこまでできるか分からないですが、アホで汚い笑える番組。100人が見て100人が面白いのは無理だから、見る人が見て腹抱えて笑ってくれればいいな」と期待を寄せ、「やってみたいことや、やっていないことがたくさんありますが、一番やりたいのはロケ。よくある体を張る仕事がしたいですね。アマゾンに行くとか」と希望した。

 そのほかの活動では「若手を出すライブを主催したい。人気者になるだけがお笑いじゃない。もっとコアなお笑いもあるということを、紹介したいです。今まで先輩らしいことができていなかったので、面白い後輩にスポットを当てたい」と夢中で構想を語っていた。

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