注目映画紹介:「イノセント・ガーデン」 パク・チャヌク監督が音響効果で観客の神経を逆なで

「イノセント・ガーデン」の一場面 (C)2012 Twentieth Century Fox.All Rights Reserved
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「イノセント・ガーデン」の一場面 (C)2012 Twentieth Century Fox.All Rights Reserved

 ニコール・キッドマンさんとミア・ワシコウスカさん(「アリス・イン・ワンダーランド」)が母娘役で出演したサイコスリラー「イノセント・ガーデン」(パク・チャヌク監督)が31日から全国で公開された。脚本は、米国の人気テレビシリーズ「プリズン・ブレイク」で主演したウェントワース・ミラーさん。彼が8年をかけて書き上げた物語を、リドリー&故トニー・スコット兄弟のプロデュースで映画化した。

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 インディア(ワシコウスカさん)の18歳の誕生日に、最愛の父親が急死し、長年消息を絶っていたおじのチャールズ(マシュー・グードさん)が葬儀に現れる。洗練された雰囲気のチャールズに引かれていくインディア。日ごろ、インディアと折り合いの悪い母のイブリン(キッドマンさん)もまた、チャールズに引かれていく。そんな中、周囲の人々が次々と姿を消し始め、インディアはチャールズの過去に疑問を持ち始める……という展開。

 「オールド・ボーイ」(03年)や「親切なクムジャさん」(05年)などで知られる韓国のパク・チャヌク監督が手がけた。毎回、視覚的なものだけでなく音響にもこだわるパク監督だが、ハリウッド進出作となる今作でも、卵の殻が割れるジャリジャリという音や、扇子をあおぐパタパタという音などを効果的に用い、見る者の神経を逆なでして、揺さぶりをかける。また、フィリップ・グラスさんが今作のために書き下ろしたというピアノ曲も“聴きどころ”の一つ。その曲を、インディアとチャールズが連弾するシーンは聴覚、視覚ともに刺激される場面だ。31日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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