歌手の松任谷由実さんが24日、東京都小金井市のスタジオジブリで行われた宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」の完成報告会見に登場。荒井由実名義で73年に発表したファーストアルバムの「ひこうき雲」が同作品に起用され、「魔女の宅急便」(1989年)以来、24年ぶりにジブリ作品に主題歌を提供した松任谷さんは「ラストに使われるということは聞いていた。『来るぞ、来るぞ』と思って……」と臨場感たっぷりに試写を振り返り、「(歌が)物語の一部になっていたことに、泣けました。荒井由実が亡霊のように現れた!」と喜んだ。
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会見はトークショー形式で行われ、タレントの中山秀征さんが司会を務め、宮崎監督、松任谷さんのほか、主人公・二郎の声を担当した「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ総監督の庵野秀明さんも登場した。主題歌について宮崎監督は鈴木敏夫プロデューサーから急に曲を聴かされたといい、「こっちは相当追いつめられていたから、歌を聴いたらすごく響いて、泣きそうになった。そういう力のある歌です。身にしみる歌」と起用理由を語った。
松任谷さんは「ラッキー! 音楽のいいところは持ち運べるところ。鈴木プロデューサーの中にもきっと運んでくださって、何かでクリックされたんですね。忘れているかもしれないけれど残っていた」と笑顔。「ひこうき雲」については「あの歌を作ったのは高校生のとき。当時の自分に言ってやりたい。『風立ちぬ』は大人の映画ですが、主題歌は高校生が作った歌だから、若い人にも通じるものがあると思う」と当時を懐かしんだ。
映画について松任谷さんは「宮崎監督が、ご自分の映画で初めて涙したと聞いて、うらやましいなと思いました。そんなものを作りたいな。ナウシカでジブリ作品に出会ったが、見たことないものを見た。描かれてないものを描いた。その精度がこの作品でさらに上がった気がしました。日本人一人残らず見てほしい」と絶賛した。最新作「風立ちぬ」は、7月20日に全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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