アニメ質問状:「進撃の巨人」 原作逸脱せずテレビでできるギリギリの線を

(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は「進撃の巨人」です。ポニーキャニオンの木下哲哉プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

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 −−作品の概要と魅力は?

 原作は、諫山創先生の人気マンガで、舞台は巨人が支配する世界。巨人のエサと化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の戦いが始まってしまう。主人公・エレンを中心とする少年たちが、懸命に立ち向かっていく姿を丹念に描いていまして、一部サスペンス要素も絡めながら、骨太なドラマが深夜のテレビアニメで毎話展開されるところが魅力だと思います。

 −−アニメにするときに心がけたことは?

 原作から逸脱しないことです。原作者の諫山先生の迫力のある絵柄はもちろん、マンガを読んだときの印象をそのまま映像でも感じていただけるように、諫山先生にも丁寧にお聞きしながら監督を中心にスタッフが進めてくださいました。

 あとは立体機動シーンの躍動感、動いたときの気持ちよさは、映像化ならではの強みだと思っておりましたので、そこも監督を中心に試行錯誤を重ねて注力した部分だと思います。

 −−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 企画立ち上がり当初より、テレビシリーズという枠組みありきで進めましたので、諫山先生と監督、脚本チームで、まずは冒頭にどうこの巨人の恐怖を伝えていくかを細かく話しあっていた記憶があります。テレビでは、どうしてもできることと、できないことがありますので、ギリギリの線を探りました。諫山先生からのアドバイスもあり、1話の(エレンの母の)カルラが巨人に捕食されるあたりの脚色は結果、心に響くシーンになったのではないかと思っております。

 あと、初めて諫山先生にお会いした日に、結構先の展開まで聞いてしまって、それは仕事上、必要なことなんですけども、もう一読者でいられない寂しさと、絶対に人にこれは話してはいけないことを聞いてしまったプレッシャーとで複雑な気持ちというか不思議な体験をしましたね。ただ今は、もう皆さんと同じ気持ちで一読者として毎月楽しみに読 ませていただいております。

 −−今後の見どころを教えてください。

 人類は巨人の侵攻を食い止められるのか? 巨人化することができるエレンは何を選択するのか? まずは“トロスト区奪還作戦”の終盤の盛り上がりにご期待ください! そして、Linked Horizonの後期オープニングテーマ「自由の翼」が発表になりました。“自由の翼”という言葉が示すとおり、後半はエレンを中心に次への新しい展開が待っています。リヴァイ兵士長の見せ場もこれからです。物語終盤はアクションシーンも満載ですよ。

 −−ファンに一言お願いします。

 ブルーレイディスク、DVDの1巻には諫山先生が19歳のときに描かれた未発表マンガ「進撃の巨人」0巻が特典に付きます。表紙は新規描き下ろしになっておりますので、 ぜひ、一度ご覧になってみてください。原作コミックスのファンであったことも縁になって、3、6巻にはニトロプラスさんにご協力いただいたビジュアルノベルゲームが特典になります。諫山先生と脚本家チームとで打ち合わせもしまして、それぞれのエピソード、特にリヴァイとエルヴィンの過去編など、皆さんのご期待に沿える内容になるはずです。

 ポニーキャニオン プロデューサー 木下哲哉

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