はじめの1巻:「ワカコ酒」 26歳女性の独り酒 のんべえにも下戸にも好評

「ワカコ酒」(徳間書店)1巻の表紙
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「ワカコ酒」(徳間書店)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「月刊コミックゼノン」(徳間書店)などで連載、26歳女性の独り酒を1話完結で描いた新久千映さんのマンガ「ワカコ酒」です。

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 一人、居酒屋のカウンターでメニューを見つめる村崎ワカコ、26歳。注文したサケの塩焼きと冷酒で「日本酒とサケの皮はこたえられん」などと心の中でつぶやき、満足げに「ぷしゅー」と息をはく。ある日は焼き鳥と生ビール、ある日はだし巻きたまごとぬる燗(かん)などワカコのこだわりの独り酒の日々が続いていく。

 ◇編集部からのメッセージ 月刊コミックゼノン編集部 秋山浩さん 「のんべえから下戸まで酒が飲みたくなる」

 「そんなにお酒好きだったらお酒マンガ描きません?」

 コミックスのあとがきにもあるので、読んでいただいた方はご存じかもしれませんが、この作品はお酒好きな新久先生と居酒屋で飲んでいるときの、そんな軽いノリでスタートしました。

 思い返せばもう4年近く前の出来事で、いわゆるグルメマンガブームはまだ訪れておりませんでした。今、思えばなんと酒飲みのいいかげんなノリで……と思わなくもありませんが、お酒飲みはお酒飲みの心をつかむのか、発売半月で4回の重版を重ね、のんべえから下戸の方までが「お酒が飲みたくなった!」というたくさんの感想を届けてくださっています。本当にありがとうございます。

 一昔前では「恥ずかしい」「みっともない」と思われてきた女性の「おひとりさま」を、押し付けや自虐ではなく、堂々楽しみ切るというワカコのスタンスが愛されたのではないかなと思っています。

 現在、ワカコは「コミックゼノン」「Webコミックぜにょん」「pixivコミック」「ゼノンランド」という四つの媒体に連載の幅を広げました。2巻は年末年始にお届けできればと先生と話しております。

 新久先生と、新久先生の肝臓にどうぞこれからも温かい応援をよろしくお願いします!

◇書店員の推薦文 伊吉書院類家店 中村深雪さん 「こんな独り酒したい!とうらやましく」

 今までのおひとりさまマンガと少し違うのは、パートナーはいるけれど、あえて日常の独りの時間を大事にしている描写。そこにうなずく人も意外と多いのではないでしょうか。飲んで食べているときのワカコの心の独り言が本当に楽しそうで、こちらの心も躍ります。かにみそを食べて「かにが生きていく上で重要な部位はうまいのう」と言うシーンが最高! メニューが庶民派なので味が想像できて思わずよだれが……。そして最大の共感ポイントは口から「ぷしゅー」と漏れ出る至福のため息! のんべえの皆さん、わかりますよね! この「ぷしゅー」! ああ、こんな独り酒したい! とうらやましくなる1冊です。

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