ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。今回は人気シリーズの最新作「逆転裁判5」です。カプコンの大阪開発部ディレクティング室・山崎剛さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
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−−内容について教えてください。
弁護士となり、無実の依頼人の「無罪判決」を勝ち取るため、法廷で戦う「法廷バトル」アドベンチャーゲームです。圧倒的に不利な状況から、検察側の証人の「証言のムジュン」を指摘したり、証拠品をつきつけて検事の推理を打ち崩くことで、逆転無罪を目指します。ムジュンを指摘したときには、まるでアクションゲームで敵を倒したときのような爽快(そうかい)感があります。そして、熱い法廷バトルの先には、あっと驚く逆転劇と意外な事件の真相が待っていますのでご期待ください!
−−最新作のセールスポイントは?
逆転裁判1~3の主人公、成歩堂龍一が弁護士として復活します! 彼が今度はどのような逆転劇を見せてくれるのか注目です。また、逆転裁判4の主人公だった王泥喜法介も重要なキーパーソンとして登場します。そして、今作から「証人の感情と証言のムジュンを指摘する」新システム「ココロスコープ」が導入されています。今まで証拠がすべてだった法廷バトルに、心理面の推理という新しい切り口を持ちこんだシステムです。新鮮な謎解きが楽しんでいただけると思います。
−−今回のストーリーのテーマは?
今回のストーリーのテーマは、「法の暗黒時代」との戦いです。法曹界にねつ造とえん罪が増えてしまった時代に対して、主人公たちが立ち向かっていく熱い物語が語られます。その暗黒時代の象徴になるのが、主人公たちと対立するライバル検事・夕神迅(ゆうがみ・じん)です。彼は「検事でありながら囚人」というとんでもなく凶悪な設定のキャラクターです。しかも、心理学を学んでいる彼は、言葉一つで法廷にいる人たちの心理を操作してしまいます。今までになく手強く、倒しがいのある検事になっていますので、彼を打ち負かす爽快感をぜひ味わっていただきたいです。
−−ゲームの開発で苦労したこと、面白いエピソードを教えてください。
新ヒロインの希月心音のキャラクターを作りあげるのは大変でした。彼女には二つのコンセプトがありました。一つは「一緒に戦える弁護士のヒロイン」、もう一つは「心理学を学んでいて、証人の感情を分析できる」こと。「弁護士」と「心理学」というなかなか交わらない二つの要素を兼ね備えたデザインを模索してキャラクターデザイナーと議論を繰り返しました。数多くの“ボツココネ”が作られては、消えていきました……。でも、最終的には、とても良いキャラクターになったと思います。性格的にも、勝ち気で負けず嫌い、喜怒哀楽が激しくて、感情豊かな楽しい女の子になっていますので、ぜひ彼女との共闘を楽しんでいただければうれしいです。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
今回、3DSという新しいハードで逆転裁判を出すに際して、システム面も遊びやすく作り直しました。今までにシリーズを遊んだことのない方でも、ストレスなく遊んでいただけると思います。逆転裁判5をキッカケに、逆転シリーズに興味を持っていただけたらうれしいです。よろしくお願いします!
カプコン 大阪開発部ディレクティング室 山崎剛
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