伊藤蘭:女性が輝く秘訣は「ユーモアと共にいること」 映画「少年H」で母役を好演

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 妹尾河童さんの自伝的小説を映画化した「少年H」(降旗康男監督)で夫の俳優・水谷豊さんと約30年ぶり、結婚後初の夫婦共演を果たした伊藤蘭さん。この映画が出品されたモスクワ国際映画祭に出席するため6月に現地を夫婦で訪れた際には、「初めて行ったんですけれど、ロシアはとにかく広くて大きな国で、映画祭のスタッフも街で出会う人たちも優しくていい人ばかり。また行ってみたいですね」といっぺんで好きな場所になったという。そんな伊藤さんに休日の過ごし方や生き方、女性が輝く秘訣(ひけつ)などを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 伊藤さんは、モスクワ映画祭の会場で、現地の観客とともに「少年H」を観賞した。そのときのことを「客席にまじって、しかもモスクワの方たちと初めてこの映画を見て、こんなところで笑ってくれるんだとか、反応が本当に間近に感じられて。しかも国境を越えた方々にこんなふうに受け入れてもらえるものなんだということが肌で伝わってきて、すごくうれしかったです」と笑顔で振り返る。とくに沸いた場面は「私がHのイニシャルのセーターを見せるところ(笑い)。あのシーンは日本ではクスッくらいの笑いだったんですけれど、ドッと笑ってくれましたね」と日本と海外の観客の反応の違いも楽しんだようだ。

 そんな思い出もあり、もし1カ月間など長い休みが取れたら「やっぱり旅行ですね。この間、モスクワに行って、旅行っていいなと思ったので、ゆっくり欧州とか回ってみたいですね。イタリアに行ったことがないので、行ってみたいです。街並みも味わいたいですし、美術にも触れたいですし、食事もおいしそう」と思いをはせていた。

 2、3日の短い休みには「(水谷さんと夫婦で)お互いに時間が許したら1泊でもちょっと温泉に行ったり、京都に行ったりとかしています。あとは好きなDVDを借りて一緒に見たり、最近はちょっと行けてないんですけど(映画館に)ロードショーも見に行きます」という。趣味で見る映画は「割と骨太のものが好きで、恋愛ものよりも『ゴッドファーザー』とか、心理サスペンスとかが好きです」と話し、夫婦で同じものを一緒に観賞するなど「たぶん(映画の)趣味は合うと思います」と25年近くたっても仲のよさは変わらないようだ。

 プロポーションや健康を保つ秘訣は、「私はジムもほとんど行かないですし、でも運動したいなとか、もうちょっと(体を)締めたいなというときは“床拭き”をするんですね。それは心掛けています」と普段からこまめに体を動かすようにしているという。

 10年後はどうなっていると思うかとたずねると、「健康が保てていたら、ほとんど変わらず仕事をやれるんじゃないかなと思います。10年前の40代ってどうだったかなと思い返すと、やっぱり仕事をしてましたしね。あとは……孫の顔が見たいかな(笑い)」とチャーミングな笑顔で答えた。

 最後に女性が生涯、輝き続ける秘訣があるとしたら?という質問には「ユーモアと共にいるということでしょうか」と切り出した。映画「少年H」も戦争を題材にしており、テーマは重いが、クスッと笑えるシーンが随所にちりばめられている。「この映画も悲壮感を漂わせすぎないというか、この物語を作り上げた河童さん自身の人を見つめる目に愛があってユーモアを忘れていない。それが物語に反映されているのかもしれませんね」と表現し、伊藤さん自身も「冗談は自然に出てきますね。周りが笑っていると楽しいです。できればいつも(周りのみんなと)笑っていたい」と満面の笑みで語った。

 <プロフィル>

 1955年1月13日生まれ、東京都出身。73~78年にキャンディーズとして活躍。解散後は80年にドラマ「春のささやき」で女優として活動をスタート。映画出演作に「ヒポクラテスたち」「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」(ともに80年)、「俺とあいつの物語」(81年)がある。夫の水谷豊さんと約30年ぶりに共演した映画「少年H」は10日から全国で公開中。現在、ドラマ「DOCTORS 2~最強の名医~」(テレビ朝日系)に出演中。待機作に映画「くじけないで」(11月16日公開予定)がある。

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