注目映画紹介:「キャプテンハーロック」 松本零士の名作を最新のフルCGで劇場版アニメ化

(C)LEIJI MATSUMOTO/CAPTAIN HARLOCK Film Partners
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(C)LEIJI MATSUMOTO/CAPTAIN HARLOCK Film Partners

 SFマンガ界の巨匠・松本零士さんの人気作「宇宙海賊キャプテンハーロック」が、総製作費3000万ドル(約30億円)と5年の歳月をかけて壮大な劇場版フルCGアニメ「キャプテンハーロック」となり、7日から公開される。脚本はベストセラー作家の福井晴敏さんで「エクスマキナ」(07年)などの荒牧伸志監督が手掛けた。日本のCGアニメの技術の高さに驚かされる仕上がりで、孤高の戦士ハーロックの魂は、原作を知らない世代にも必ず届くことだろう。アルカディア号がスクリーンに現れる瞬間はゾクゾクさせられる。

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 人類が銀河の果てまで進出した時代。帰るべき場所・地球の居住権をめぐる争いのあと、全宇宙に散らばる各惑星の有識層で組織された「ガイア・サンクション」が世界を支配していた。彼らは地球を聖地とし、以来100年間、人類はさびれた植民惑星に身を寄せていた。終戦とともに姿を消したはずだったハーロック(声・小栗旬さん)は、海賊船アルカディア号のキャプテンとして宇宙海賊となって政府に反旗を翻し、広域指名手配されていた。ガイア・サンクション総監直属の親衛隊ガイア・フィリートの長官であるイソラ(声・森川智之さん)は、弟のヤマ(声・三浦春馬さん)をハーロック暗殺の工作員としてアルカディア号に潜入させた……。

 ハーロックは政府に反旗を翻す全宇宙で指名手配される大罪人だ。物語はアルカディア号に乗り組んだ工作員ヤマの視点で進んでいく。権力と闘う気骨あふれる男気と何かを背負っているような謎めいた面を合わせ持つハーロックの魅力とともに、フルCGのリアルで迫力ある宇宙バトルやアクションが見ものだ。美男美女ばかりのキャラクターデザインに最初のうちはなかなか目が慣れなかったが、ハーロックの肩に乗るトリさんのお陰で一気に親しみが湧いた。重量感ある色調の中で展開するSFストーリーは、ロマンたっぷりながらも、闘うことのむなしさや後悔の痛みも心に刺さってくる。カッコいいメカデザインは、荒牧監督の「エクスマキナ」なども手掛けている竹内敦志さんが担当した。宇宙に漂うアルカディア号の威厳ある姿にはしびれた。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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