最近テレビやCMでちょくちょく見かけるけれど、実はあんまりよく知らない……。そんな、いまさら聞けない“ネクストブレーク芸人”の基礎知識を、本人たちの言葉を交えて紹介する。今回は「スピリチュアル芸人」として昼のバラエティー番組「笑っていいとも!」(フジテレビ系)に出演しているほか、このほど初めての書籍を出版した女性お笑いコンビ「パシンペロン」が、「まんたんウェブ」編集部を来訪。コンビ結成の経緯やお互いのこと、最近の仕事について聞いた。(毎日新聞デジタル)
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はやぶさゆかさんと岡ちゃんのお笑いコンビ。はやぶささんは1980年4月15日生まれ、静岡県出身のB型。趣味はカラオケ、酒盛り、スポーツ全般で、特技は心霊体験、怪談話、タロットカード、バイオリン。岡ちゃんは85年3月19日生まれ、群馬県出身のA型。趣味は立ち読み。特技はディズニーランドの案内、上毛カルタ。ホリプロコムに所属している。
08年4月から活動を開始し、今年5月の「笑っていいとも!」(月~金曜正午)で、はやぶささんが「見えすぎちゃう!?スピリチュアル芸人」として登場。増刊号のセミレギュラーとして知名度を急上昇させた。その後、さまざまなバラエティー番組に出演。14日に、はやぶささんが初めての書籍「パワースポットには行くな! 本当はやってはいけないスピリチュアル」(ぴあ、1000円)を発売した。
コンビ結成のきっかけは、お互いの元コンビ相手が、同じタイミングでコンビ解消を持ちかけてきたといい、はやぶささんは「お互いの相方に振られて、2人で“失恋”話をしているうちに意気投合して」、結成に至ったと話す。2人とも、もともとお笑い芸人を目指していたわけではない。
岡ちゃんは「テレビに出たかった」という理由で、子供向けの芝居から始め、タレントの久本雅美さんや柴田理恵さんが所属する「ワハハ本舗」で裏方を手伝っていた。しかし、「『ワハハはテレビに出られませんよ。テレビに出たかったらホリプロとかキレイな会社に行きなさい』と言われて、ホリプロに行きました」と笑顔で語った。
一方、はやぶささんは、ジャーナリストになりたかったという。「趣味でお笑いサークルに入って、忙しく楽しく過ごしていたら、気づいたら周りが(就職の)内定をもらっていた。親が厳しいので、就職活動するのを忘れていたと言えなくて、『もともとお笑いがやりたかった』と、言い訳で始めたんです」と驚きの動機を明かした。
コンビ名は漫才をする時に、はやぶささんが「パシン」と突っ込みを入れると岡ちゃんが「ペロン」と舌を出すクセに由来している。岡ちゃんが前のコンビを組んでいるときに、お笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良さんがバラエティー番組「内村さまぁ~ず」のなかで行った大喜利「もし岡ちゃんが新しくコンビ名を付けるなら」で、内村さんが出した答えの一つだったという。はやぶささんは「内村さんが名付け親だと思っていますが、『さまぁ~ず』の大竹(一樹)さんは『俺が名付けた』と言っている。大竹さんにお会いしたときは『そうですか?』と返しています」と語った。
解散を考えたことはなく、はやぶささんは「(私が)ドSで(岡ちゃんが)ドM、いじわるなこと言っても気づかないので、そもそもケンカもないです」と語る。一度、岡ちゃんが本気で怒ったのは、いたずらで泳げない岡ちゃんを浮輪に入れて、海へ置いてきたときだけだという。お笑いについても、ブレークしなくても焦ることはなく、「来てくれた人だけ笑ってくれればいい」とマイペースだ。
岡ちゃんについて、はやぶささんは「ビジネスパートナー」と答えたが、「全く世間のことを知らないし、人の言ったことをすべてうのみにするから、子供みたいな感じ。ノストラダムスを信じて高校受験をやめたりする。危なっかしいので、手綱を後ろで引っ張っておかないと」というと、岡ちゃんも「相方さんは保護者ですね。お酒の強いお姉ちゃん」と笑顔で語った。
漫才もコントもやり、お笑いのスタイルにこだわりはないという。ネタづくりは、「岡ちゃんが『こういうのやりたい』と一人で言って、それをまとめるのが私です。原作者は岡ちゃんですが、やりたいアイデアで人数がどんどん増えたりするので、そのままは使えない」と、はやぶささん。岡ちゃんは「やりたいものを出してると、人数が足りなくなっちゃうんです」と明かして、はやぶささんをあきれさせた。
昔から“霊感”があったというはやぶささんは「気味悪がられるから、あまり言いたくなかった。仲のいい芸人さんにだけ『実は見える』という話をしていた」というが、それが口コミで芸人の間で広がった。それをマネジャーが聞きつけて「そういう特技あったの? それでテレビに出ようよ」と提案し、仕事を取ってきてくれたのが「スピリチュアル芸人」としてのはやぶささんのスタートとなった。
岡ちゃんははやぶささんの霊感を知っていたといい、「うそをついてることを当てられて『うそをついてもだめだよ。なぜなら、私には霊感がある』と言われたので、それを信じました。うそはつけない!って思いました」と素直に答えた。
はやぶささんのブレークについて、岡ちゃんは「うらやましいというより、大変だ、という状態。知らない人からの『相方を紹介してくれ』の圧がすごい。連絡先を知らないといってしのいでます」というと、はやぶささんも「私は業の塊だけれど、岡ちゃんは欲がない。私一人の仕事でも快く『行ってらっしゃい。お土産買ってきて』という感じで送り出してくれて助かります」と喜んだ。
好きな芸人は二人とも関根勤さん。はやぶささんは「とにかくいつも人を楽しませようとする気分にムラがない。いつでも人を楽しませたい。みんなのために動いてくれる人」と、関根さんについて語った。また、尊敬している芸人には、同事務所の島田秀平さんを挙げ、「ライバルではなくて、お笑い芸人が別のことをやろうとするとたたかれる。そういう道を作った。あと、先を見られる思慮深い方だと思う。先を見越してアドバイスしてくれる」と語った。
一方、ライバルを聞かれた岡ちゃんは、お笑いコンビ「よゐこ」の濱口優さんだといい「こないだお仕事でお会いしたときに、『俺よりお前の方がバカだ』と言われて、ちょっと小競り合いになりました。まだ決着ついてないんですよ」と語った。
スピリチュアルで有名になってから、バイト先のお客に「見ないで!」と言われるのに困っているというはやぶささん。実は「怖いのがダメ」ということも語り、「心霊写真や怪談話、本当か鑑定してくれって言われたり、心霊スポットにもお仕事で呼ばれる。でもできたら怖いから見たくないんです。お仕事でないと行きたくない」と切実に語った。一方、岡ちゃんは「髪の毛がまとまらなくて、本当につらい。梅雨どきは、暑くて蒸すので、出かけるときに髪が元に戻っている」ということが悩みだ。
やってみたい仕事の一つだった書籍の出版について、はやぶささんは「ジャーナリストになりたかったので、本は出したかった。自分で書きためていたこともあったんですが、こういうスピリチュアルの仕事で当たり前だと思っていたことがそうじゃないことが分かった。そのギャップを本にしました」と語った。タイトルの「パワースポットには行くな!」については、「いいことなんだけれど、こうやらないと意味ないよ、と伝えたい。パワースポットに行った人が全員幸せになっていないので、実際に行くんだったら読んでから行って」と語った。
はやぶささんはほかに「ラジオが好きなのでラジオに関わりたい」という。岡ちゃんは「ディズニーマニアなので、ディズニー好き芸人などで、紹介番組に出たい。詳しいので絶対楽しませられる」と自信を見せ、はやぶささんも「20分待たないで遊べる。逆に休ませてと思うくらい」と、その知識を認めていた。(毎日新聞デジタル)