はじめの1巻:「おじょじょじょ」 お嬢様と変わり者のラブコメ “ぼっち”2人の甘酸っぱい恋

「クール教信者」さんのマンガ「おじょじょじょ」(竹書房)1巻の表紙
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「クール教信者」さんのマンガ「おじょじょじょ」(竹書房)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は「まんがライフ」(竹書房)などで連載、クラスで浮いた存在の高飛車なお嬢様と変わり者の少年の恋を描いた「クール教信者」さんの4コマラブコメディー「おじょじょじょ」です。

ウナギノボリ

 ある高校に大財閥のお嬢様・地獄巡春(じごくめぐり・はる)が転校してくる。その高飛車な態度のせいか、春はすぐにクラスでひとりぼっちになってしまう。クラスにはもう1人、変わり者といわれ、ひとりぼっちの男子・川柳徒然(かわやなぎ・つれづれ)がいて、春と徒然は徐々に会話をするようになる。

 ◇編集部からのメッセージ 竹書房第2編集部 山田賢一さん 「直視できなくなるほどの甘酸っぱさ」

 この作品は、次のような方におすすめです。

・ピュアなラブコメで、発狂するほどもだえたい

・脳が溶けるほどニヤニヤしたい

・「ですわ!」口調に萌(も)える

・高飛車ツンデレ最高!

・男低女高の身長差カップル萌え

・自分のことを不器用だと思う

・人のあたたかさに飢えている……

 不器用なお嬢さまと、不器用な変人。孤独な2人の、不器用でもどかしくて、だけど純粋であたたかい……。そんな交流を4コママンガで描いたのが「おじょじょじょ」です。

 この作品を語る際に「ベタベタなテンプレ展開なのに、なぜこんなに面白くて、ドキドキして、胸に刺さるのか?」などとよく言われますが、それこそ著者・クール教信者先生の魅力! 展開は王道でも、セリフ選び、間のとり方、表情のつけ方、ほどよいギャグ、ホロリとくる描写……。とにかくうまい、ニクいくらいツボを押さえてきます……!

 発売して即重版も決定した話題作! 実力派新人による、ストレートすぎるラブコメ、ぜひ読んでみてください。担当である僕でさえ度々、直視できなくなるほどの甘酸っぱさです……。

 ◇書店員の推薦文 まんが王 渡邉泰弘さん 「心をあたたかくしてくれること間違いなし」

 大財閥の令嬢として育てられた傲岸不遜(ごうがんふそん)なお嬢様・春と、人を寄せ付けない雰囲気を醸し出す少年・徒然との“ぼっち”同士の出会いから始まる恋物語を描いた4コマ作品。たいていの作品ではサブキャラクターのポジションが与えられる、お嬢様キャラをあえてメインヒロインにすえたことで、いろいろな意味で普通とはちょっと違う物語が生み出されており、個人的に今一番続きが気になる作品です!

 初めて出会った自分と対等に接してくれる少年との心の距離が近づくにつれ、少女は高飛車でわがままな態度しか取れない自分のふがいなさを嘆きます。半面、少女は、少年が自分のそばにいる日常への喜びをかみしめる……。そんな少女のけなげな恋模様が、読者の心をあたたかくしてくれること間違いなしと断言しちゃいます!

 そして泰然自若(たいぜんじじゃく)なたたずまいから他人には「変人」と称される少年・徒然の心の内が明らかになればなるほど、読者にもどかしさの感情を芽生えさせます。そのことでストーリーへの感情移入をうながす著者・クール教信者先生のストーリー構成力の高さにも注目です。

 果たして、今まで友達すらできなかった少女が少年と恋人同士になることができるのか? 1巻に収録されたクライマックスの告白シーンは必見です! そして、“ぼっち”同士だった2人が他人にも心を開く日が訪れるのか? それとも“ぼっち”同士で結ばれた関係だけで2人は満足をしてしまうのか? 次巻以降の展開が今から楽しみで仕方ありません! それはそれとして、ヒロインの春ちゃん、可愛すぎです……。

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