アンパンマン:やなせさん死去でテレビアニメの継続は「白紙」 来年の劇場版は製作

「アンパンマン展覧会」で笑顔を見せるやなせたかしさん(左)=2013年5月撮影
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「アンパンマン展覧会」で笑顔を見せるやなせたかしさん(左)=2013年5月撮影

 13日に死去したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさんの代表作「アンパンマン」のテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」(日本テレビ系)の放送について、同作を発行するフレーベル館の鈴木晴夫専務は15日、東京都内で行われた会見で、「(今後は)未定です。関係者で話し合いたい」と語った。同アニメは1988年から放送されている長寿作で、やなせさんがキャラクターデザインなどを手かげてきたこともあり、今後の動向が注目される。

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 会見で日本テレビの中谷敏夫プロデューサーは、テレビアニメの制作について「やなせ先生には、“脳”と“心臓”の両方をつかさどっていただいていた。先生からいただいたアイデアを100人近くスタッフが先生の号令で作っていて、先生のご意見を中心に番組が成り立っていくところがあった」と説明した上で「日本テレビとしては続けたい意志があるが、脳と心臓を失った今、どうするのか? 先生にいただいた“イズム”を胸に前に向かって進んでいきたいが、現在のところ、白紙です。特番も予定はない。詳細は協議したい」と話した。89年から毎年、公開している劇場版アニメの新作については生前、やなせさんと製作サイドでアイデアを詰めていたといい、2014年の公開を予定しているという。

 やなせさんは1919年東京都生まれ。高知県で少年時代を過ごし、東京高等工芸学校卒業後、高知新聞社、三越宣伝部を経て、53年フリーに。61年には童謡「手のひらを太陽に」の作詞を手掛け、73年には月刊絵本「キンダーブック」に「あんぱんまん」が初登場。88年にはテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」の放送が始まり、89年には劇場版アニメ第1作「それいけ!アンパンマン キラキラ星の涙」が公開され、その後毎年新作が公開されている。

 13日午前3時8分、心不全のため東京都内の病院で死去。94歳。故人の遺志により、葬儀は近親者のみで営んでおり、後日しのぶ会を予定している。(毎日新聞デジタル)

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