マンガ家、絵本作家のやなせたかしさんが13日に死去したことを受けて、代表作「アンパンマン」などを出版するフレーベル館が15日、東京都内で会見を開いた。長年、やなせさんの作品の編集を担当してきた同社「アンパンマン室」の天野誠室長は「東日本大震災の前は、『引退する』とおっしゃっていたが、被災地で(アニメの主題歌)『アンパンマンのマーチ』が流れていると聞き、『引退するのはやめた。死ぬまで現役』となった」と語り、故人をしのんだ。
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また、東日本大震災後のやなせさんの活動について「被災地に寄付しようとしていたが、お金では解決しないだろうとなり、ポスターを書いて配った。笑わなくなった子どもたちが笑顔になったと喜んでいた」とコメント。やなせさんの人柄についても「締め切りに遅れたことが一度もない。こんなに手がかからない作家はいない。入院していても締め切りを守っていた。満身創痍(まんしんそうい)でも明るく、病気を楽しんでいた。悩んでいたのは、マンガでヒットがないことだった」と語っていた。
やなせさんは1919年東京都生まれ。高知県で少年時代を過ごし、東京高等工芸学校卒業後、高知新聞社、三越宣伝部を経て、53年フリーに。61年には童謡「手のひらを太陽に」の作詞を手掛け、73年には月刊絵本「キンダーブック」に「あんぱんまん」が初登場。88年にはテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」の放送が始まり、89年には劇場版アニメ第1作「それいけ!アンパンマン キラキラ星の涙」が公開され、その後毎年新作が公開されている。
13日午前3時8分、心不全のため東京都内の病院で死去。94歳。故人の遺志により、葬儀は近親者らで営んでおり、後日しのぶ会を予定している。(毎日新聞デジタル)
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