潘ちゃん×潘さん交換日記:母の思いと運命と 潘めぐみ

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 「HUNTER×HUNTER」のゴン役などで人気上昇中の声優・潘めぐみさんと、「機動戦士ガンダム」のララァ役などの声優としても知られる母親の潘恵子さんが、さまざまな思いや出来事を交換日記形式でつづります。今回は、“潘ちゃん”ことめぐみさんが、“潘さん”こと恵子さんの思いを受けて思いを語ります。

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 みなさん、おはようございます! こんにちは、こんばんは、はじめまして! 潘めぐみです!

前回に続いて、このあいさつから始まりました、このコラム。これからもデフォルトにしてつらぬいていこうと思います。

 そういえば、今回“潘さん”がつづったこういうコラムを読むのは、初めてかもしれません。

 日常のかたわらにあるメールにはじまり、母の執筆した占いの本などは読んだことがあったのですが、それとはまた違った“潘さん”であり“母”の文章。

 そう思うと同時に、私はなんて親知らずな娘なんだと思いつつ、胸がほっこりと温かくなりました。こうしてコラムを通して、原点回帰をして、母の思いを知って。

 お母さん、ハワイ住みたかったんだよね。そういえば、ずっと言っていた。いまでもたまに話してるもんね。

 だけど、あのころの私は、Sちゃんに出会って、「HUNTER×HUNTER」の存在を知って、毎日が、学校が楽しくて、日本から離れたくなくて……。

 でも、高学年にもなると、まわりは中学校受験を目前に控え、漢検などの資格を得たり、猛勉強。勉強が得意な方ではなかった私は、図工や音楽や体育といった実技の科目を中心に、めいっぱい楽しんでいました。

 そんなとき、母が見つけてきてくれたスイミングスクールの「スキューバーダイビング インターナショナルJr.ライセンス」の話。海も泳ぐことも大好きだったから、資格を取るなら自分の得意な分野で楽しもうと思ったのです。もちろん母の思惑など全く知らずに(笑い)。

 それから友達のSちゃんと一緒に申し込みをして、実技のレッスンと講義を受け、ペーパーテストをへて、泊まり込みで伊豆の海で実習。あのペーパーテストが1回で合格できなくて悔し泣きしたなあ。

 相部屋になった先生のいびきがうるさくて、トイレでうたた寝したなあ。

 海でクラゲ先輩に刺されたなあ。

 ボンベ、重かったなあ。

 だけど、楽しかったなあ。

 そうして得たライセンスは、私にとって初めてのライセンスでした。そういえば、あのころは「ライセンスといえばハンターライセンス」と連想したものでした。私ってば単純です(笑い)。

 一時期は、母が思い描いていた職業に就こうかと思っていたし、今ならハワイに住むのもいいなって思うことも、しばしば。今と昔、こうして感覚は変わっていくものなんだな、と。

 こうしてさまざまなものが変わっていく中で、ずっと変わらないものがあった。お母さんがお母さんで、私はお母さんの娘で、親子であるということ。そんな私の夢は、お母さんと同じ、今のこの職業であるということ。

 お母さんは、私の夢に賛成も反対もしなかったね。自分が通ってきた道。楽しいこともつらいことも、身をもって経験しているからこそだと思った。けれど、娘が進むと決めた道を応援してくれていること、感じているよ。ありがとう。

 そうして、親子で初めて共演を果たしたのが、私のデビュー作「HUNTER×HUNTER」。この共演をきっかけに、母は原作を手に取ったのですが、今や母も「HUNTER×HUNTER」のとりこ。毎週アニメも楽しみにしています。

 現在アニメで放送されているのは、「キメラアント編」という、原作でも重量感のあるエピソードです。10月からは新たに放送枠も毎週火曜深夜1時29分から(関東地区)となりました。そして12月27日には、劇場版の第2弾も控えていますし、これを機に初めて見てくださる方々、そして、引き続き見てくださる方々に、今後とも見守っていたけるようゴンバリマスので、どうぞよろしくお願いいたします……、とちょっとアピール。

 いやしかし、15年前、Sちゃんの家に遊びに行って「HUNTER×HUNTER」を手に取った時は、想像もし得なかった出来事。ただただ好きで、大好きで。本当にどこで何がきっかけになるか分からないですね。

 こうしたこともあり、きっと人は知らないうちに、けれど必要なときに出会うべくして出会っているのだと、より強く思うようになりました。確か「HUNTER×HUNTER」のアニメにも、そんなセリフがありました。私は、無性に運命や縁のようなものを感じずにはいられないのです。

 この思いに輪をかけるように、最近また、そう感じる出来事がありました。

 それは、もうすぐ(11月8日)公開される映画「キャリー」です。なんと私が主人公のキャリー役を演じさせていただくことになりました!

 33年の時を経て、母と同じ役を演じさせていただくことになろうとは……。この作品の中でも親子共演を果たすこととなりました。これまた不思議なめぐり合わせがたくさんあって。ね、潘さん。

 ということで、この続きは、潘さんにお渡しすることにしましょう。潘さん、よろしくです。

 ◇プロフィル 

 潘めぐみ(はん・めぐみ)=1989年、東京都生まれ。2008年に映画「櫻の園」の一般公募オーディションに合格し女優デビュー。ドラマ「オトメン−乙男−」のほか舞台などにも出演。11年に、100人を超えるオーディションをへて、アニメ「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン役に抜てきされた。アニメ「ジュエルペット ハッピネス」の月影ちあり役、ゲーム「The Last of Us」のエリー役などを好演し注目を集めている。

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