松尾幸実:プレッシャー乗り越え「ミス・ユニバース」頂点目指す 「経験をマンガにしたい」

11月のミス・ユニバース世界大会でグランプリを目指す日本代表の松尾幸実さん
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11月のミス・ユニバース世界大会でグランプリを目指す日本代表の松尾幸実さん

 “世界一の美女”を決める「2013ミス・ユニバース」の日本代表で、モデルとマンガ家という異色の経歴を持つ松尾幸実さん(26)が、世界大会が開催されるモスクワに向けて21日に日本を出発する。日本代表に決定後、「時間がたつうちに『本当に私でよかったのか』と落ち込むようになった」と一時はプレッシャーに押しつぶされそうになったという。しかし、その不安と恐怖を乗り越えた今の心境は「ワクワク」。世界大会への意気込み、そしてミス・ユニバースの先に広がる夢などを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 ◇肉体とともに精神も磨いた準備期間

 松尾さんは、8年間のモデルの仕事のかたわら、マンガ家としても活動してきた異色の経歴の持ち主。マンガに打ち込む日々だったが、友人から「モデルを続けていくのには、女らしさも知的さも足りない。自分を変えないと先はないよ」といわれたことで奮起し、ミス・ユニバースに出場した。そして、日本代表に選出された。「そのときはうれしくて、『この先どんなことができるかな』という期待感でいっぱいでした」と語る松尾さんだが、「2カ月、3カ月……と時間がたつにつれて、本当にこのまま世界大会に進んでいいのかな、本当に私でよかったのかなって落ち込むようになりました」と苦悩した時期があったことを明かす。

 だが、「だいぶ落ち込んだ時期が2カ月くらいあったんですが、そこから、こんなにクヨクヨしていたって仕方ない。自分を信じなければ、必ず後悔する」と気持ちを取り戻した。そして世界大会に向けて、今の心境は「ワクワクしか残っていない。今はひたすら楽しみ。グランプリを取るつもりです」と意気込む。これまで美しい体作りのためにさまざまなトレーニングを行ってきたが、「それプラス、自分と向き合う時間もいただいた。その期間があったからこそ、今こうして世界大会に向き合える自分がいるんだと思います」と語り、「筋肉と一緒で、一度ズタズタに傷ついて回復したことで、私もすごく強くなっている」と自信をのぞかせる。

 ◇世界大会は「忠実な着物の着付け」で和の気品

 そんな松尾さんが“世界一の美女”を目指して世界大会で着るのは、十二単(ひとえ)をモチーフに鶴と松の木をデザインした着物だ。背後に背負った巨大な扇もポイントで、自身も気に入っており、「過去には肩や脚を出した着物のスタイルが多かったと思うのですが、今回は着崩さずベーシックに着用しているのも特徴。メークも、私の顔立ちに合わせて自然に仕上げました」と笑顔を見せる。

 美しい衣装と洗練された外見を手に入れた松尾さんは、一方で、世界大会に向けて知性も磨いてきた。日本代表として自身のきちんとした意見を話すことができるよう、疑問に思ったことや知りたいと思ったことは直接、人に話を聞いて調べるようにしたという。

 とくに興味を持ったのが「日本人の仕事観」だという。「海外の方から見て日本人は働きすぎという意見が多いと思うのですが、どうして日本人はそんなに働くのか、どのように仕事をとらえているのか、自分で調べようと思いました」と語る。実際に、国内外で働く友人に直接会いに行って話を聞いたという松尾さんは、「素人的なやり方かもしれないけれど、教科書的ではない、私だけの考えを持てた」と語り、「世界大会では、日本人らしい当たりさわりのない話に終始しないよう、自分の意見を持って臨みたいと思います」と気を引き締める。

 ◇美容・ファッション誌でのマンガ連載が夢

 美の頂点になるため強い意志を固めた松尾さん。しかし同時に「私が世界大会に臨むのは、この大会のためだけの自分の人生ではなく、この後の自分のため」だと語る。

 日本代表に選ばれたことで「自分がやりたいことにアプローチできる素材がそろった」。5~7月に伊ミラノで開催された「ミラノマンガフェスティバル」のイメージキャラクターに起用されたことを例に挙げ、「国内だけでなく世界に自分のやりたいことが広がった。この経験を生かして、今後は、世界のマンガファンとビューティーやヘルスに興味がある人たちをつなげていく仕事がしたい」と自身の今後の展望を明かす。

 具体的には「自分を試して成功を勝ち取る女性の物語を、私の経験から描きたい。ミス・ユニバースに出場して、日本代表として世界大会に出場できる経験はめったにないことなので、その体験を生かしたいですね」と語る。そして夢は「美容やファッション誌で連載すること」。10年後はどうなっていると思うかと聞くと、「連載を1本終わらせていたいですね」と目を輝かせ、私生活については「恋愛もいくつかしていたいですね。にぎやかな親戚たちの中で育ったので、結婚願望もあります」と26歳らしい等身大の考えを語った。

 <プロフィル>

 まつお・ゆきみ 1987年10月20日生まれ、京都府出身。173センチ、バスト83センチ、ウエスト62センチ、ヒップ89センチ。特技は絵を描くこと、 趣味は水泳、テニス、アクセサリー作り。2012年11月にミス・ユニバースの三重大会に応募し、約5000人の応募者の中から書類審査とオーディションの結果、三重代表に選出された。13年3月4日、各地方大会を勝ち抜いた42人のファイナリストとともに日本大会に出場し、日本代表に選ばれた。

 *……「ミス・ユニバース」は1952年に始まった世界で最も歴史あるコンテストで、80を超える国々の代表が集まって“世界一の美女”を決める美の祭典。今年の世界大会は、モスクワで11月5日(現地時間)に事前審査、9日(同)に最終審査が行われる予定。

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