タワレコ:新戦略はアニメ専門店 音楽不況の活路となるか?

「タワーレコード」の新業態店舗「タワーアニメ」の1号店の店内に置かれたイメージキャラクター“店長”の平島話音のパネル
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「タワーレコード」の新業態店舗「タワーアニメ」の1号店の店内に置かれたイメージキャラクター“店長”の平島話音のパネル

 CDショップ「タワーレコード」のアニメやアニメソングに特化した新業態店舗「TOWERanime(タワーアニメ)」の1号店(茨城県つくば市)が10月31日にオープンした。音楽不況といわれ、ネットショッピングや音楽配信が定着している中、輸入CDショップの代表格として名をはせたタワーレコードは近年、アニメに力を入れており、タワーアニメにも注目が集まっている。新戦略の意図と手応えを探った。(毎日新聞デジタル)

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 タワーアニメ1号店は、茨城県つくば市のショッピングモール「LALAガーデンつくば」内の「タワーレコード LALAガーデンつくば店」をリニューアルしてオープン。約140平方メートルの店内には、約2万5000点のCDや映像ソフト、グッズ、マンガ、ライトノベルなどを取りそろえている。タワーレコ−ドでは、新宿店や渋谷店でアニメコーナーを充実させ、アニメファンの人気を集めてきたが、タワーアニメのアイテム数は都心店と同程度に品ぞろえした。約2万枚のCDを並べた小型店舗「TOWERmini(タワーミニ)」も併設されている。営業時間は午前10時~午後9時。

 タワーアニメはイメージキャラクターとして、マンガ「夜桜四重奏 ~ヨザクラカルテット~」などで人気のイラストレーター・ヤスダスズヒトさんがデザインした“スタッフ”という設定の田和玲子(たわ・れいこ)と“店長”の平島和音(ヒラシマ・カズネ)を制作。キャラクターを利用した独自の販売促進やプロモーションを行っている。また、4日には、オープン記念イベントが開催され、声優で歌手の南里侑香さん、古木のぞみさんら新人声優によるユニット「ワンリルキス」などが登場した。

 タワーアニメの原田敦店長によると、つくば市は筑波大などの大学があるため、学生は多いが、市内にはアニメ専門店がなかったこともあり、タワーアニメの出店を企画した。客層は10代がメインで、ボカロ曲のCDやアニメ「ダンガンロンパ」「黒子のバスケ」などのグッズが特に人気だといい、原田店長によると「リニューアル前とは客層が変わった。来店者も増えています」と好調だという。

 “音楽不況”ともいわれ、音楽配信やネットショッピングが定着しているが、原田店長は「音楽配信も人気ですが、CDのパッケージにしかない魅力もある。店にしかできないイベントもやっていきたい。アニメのCD市場は右肩上がりとはいえませんが、一定のシェアがある。専門店の強みを生かしていきたい。これまで新宿店や渋谷店で蓄積したノウハウを生かすことができるはず」とリアル店舗ならではの強みを生かした運営を目指している。

 タワーアニメは今後、地方だけでなく首都圏にも展開していく予定で、広報担当者は「アニメをやるのであれば、中途半端ではなく、徹底的にやっていきたい。バイヤーにも熱があるので、その熱を届けていきたい」と話している。

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