WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。12月27日に放送される「撮影監督・山本英夫 ~三谷幸喜の夢を撮る~」を担当したWOWOW制作局制作部の小澤正彦プロデューサーに番組の魅力を聞いた。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−番組の概要と魅力は?
撮影監督・山本英夫。「監督の要望であれば何でもかなえる」と言い、無理難題に応え続け、真摯(しんし)に仕事と向き合う姿を描く。一般視聴者には理解しづらいが、実はとても高度な撮影方法である“完全ワンシーンワンカット”の演出の意味や技術的苦労を、技術者の視点で描き出すことによって、視聴者の知的好奇心を駆り立てる。そんな映画カメラマン・山本英夫(53歳)を、2013年に8カ月にわたって取材を行った、人間愛あふれるドキュメンタリー。
−−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?
今作はWOWOWの2大オリジナルブランド「ドラマW」と「ノンフィクションW」の初の連動企画。三谷幸喜の完全ワンシーンワンカットドラマ「大空港2013」の撮影現場で、自社製作のドラマとういう利点を生かし、通常では入られないところまでカメラが入り貴重な取材を行い、制作演出上での演出意図や苦労話を技術者の視点から描いていく。
−−制作中、一番に心がけたことは?
「完全ワンシーンワンカット」って何が難しいのだろう、どうすれば伝わるのだろう、実際カメラのオペレーターや調整で起こる難しさ厳しさ、多々ある撮影専門用語をいかにやさしく視聴者に伝えていくのか?「映像美にこだわる」という新たなハードルを自らに課し、おごることなく限界に挑戦し続けている彼の姿を分かりやすく伝える手法を常に考え制作した。
−−番組を作る上でうれしかったことは?
山本さんと三谷さんとの絶大なる信頼関係を身近に感じることができたこと。また、彼らを取り巻く豪華俳優陣、多くのスタッフ陣、各々が何の不平不満ももらさず、ひたむきにプロとして仕事に向き合う姿を直接、その瞬間を共にし非常に感動した。すべてに対してみな真剣、その集大成が作品を見ると面白く、さまざまな笑いがこみ上げてくる。劇中のせりふや役者の動きをすべて覚え、スタッフやキャストがそれぞれ事前に決めた足の運びやカメラ位置を守るのは、基本中の基本。さらにはそのとき、その場でしかできない役者のアドリブにも柔軟に対応する。そんな技術を目の前で体感できたこと。
−−番組の見どころを教えてください。
三谷監督は語る。「山本英夫がいなければ、ワンカットドラマは存在しない」と。三谷監督の夢を演出的・技術的にも一番理解し、一番汗をかく男・山本英夫のもう一つのドラマを描いた。
ただし、この番組は、ドラマのメーキング番組ではありません! なぜ山本英夫はこんなにも多くの方々からの信頼を得、常に新しいことへ挑戦をし続けていけるのか? 彼の持つ人間愛に徹底取材を行った。
−−視聴者へ一言お願いします。
ワンシーンワンカットに挑むのは2年前の「Short Cut」に続き2作目。「人物、せりふ、動きが格段に増え、難易度は比較ならないほど高かった」というドラマW「大空港2013」。このドラマに先立ち放送するため、ぜひこのドキュメンタリー番組を見て、山本英夫という人間性を理解してから、ドラマW「大空港2013」を見て楽しんでいただきたいと思います。
WOWOW 制作局制作部 プロデューサー 小澤正彦
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