ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「ゲーム質問状」。今回は「ゼルダの伝説 神々のトライフォース2」(3DS)です。任天堂・情報開発本部制作部の青沼英二さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−ゲームの内容について教えてください。
一昨年、「ゼルダの伝説」シリーズは25周年を迎えましたが、今作はニンテンドー3DS向けに開発された、シリーズ最新作になります。プレーヤーであるリンク(主人公)を操作して、敵との戦いや、世界に隠された物を探し出す謎解きにチャレンジするアドベンチャータイプのアクションゲームです。今回、シリーズの原点である「トップビュー(上から見下ろした世界)」を採用し、世界や物語は、1991年にスーパーファミコンで発売された「神々のトライフォース」とつながりのある内容となっています。
−−セールスポイントは?
昔懐かしい「トップビュー」は、物の位置が分かりやすい利点がありますが、半面、物の「高さ」が分かりにくいという欠点もありました。その欠点を3DSの「立体視」で補うことで、高い場所から下を見下ろす臨場感が加わり、「高さ」の概念を利用した新しい感覚の遊びをたくさん採用することができました。また、トップビューでありながら「側面(壁)」を絵になって移動する遊びがあることで、難しい操作を強いることなく、視点を変えて世界の構造をより深く楽しんでもらえるようになっています。
−−企画のコンセプトは?
「ゼルダのアタリマエを見直す」というコンセプトのもと、今作では、ゲームの進行をプレーヤーが自由に選択できるようにしました。具体的には、従来、取得する順番が決められていた「アイテム(道具)」がお店でいつでもレンタルできるようになりました。どのアイテムをどこで使うのかはプレーヤーに委ねられ、迷いを生むことになりますが、迷うこともゲームの楽しみの一つになるよう、拠点への移動やリトライが気軽にできるシステムを採用しています。迷いの中から正解を見つけた時の達成感を存分に味わってもらえたらと思います。
−−ゲームの開発で苦労したこと、面白いエピソードを教えてください。
スーパーファミコンのときの「トップビュー」は、上から見下ろした世界を、平面的な絵の「遠近法」で描いていました。絵で描く世界は「ウソ」があっても、それらしく見せることは可能なのですが、今作は、3Dで立体的な世界を実際に構築しているので、逆に都合よく「ウソ」をつくことが難しく、上から見下ろしても見えないはずの、物の「側面」なども見せるようにしているので、「現実」と「ウソ」を融合させるのに苦労しました。最終的にそれらは、とても自然に仕上がっていますので、遊んでくださる皆さんには恐らく気付いていただけないのが、ちょっと悔しいですね(笑い)。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
「ゼルダのアタリマエを見直す」というテーマは、WiiUで発売した「風のタクト HD」でも、いくつかのチャレンジをしています。そうしたチャレンジは、これからリリースする予定のWiiUの最新作でも、さらに皆さんに驚いていただけるように、続けていこうと思っていますので、この「神々のトライフォース2」でのチャレンジに対しての皆さんからのご意見、ご感想を「Miiverse」にどんどん投稿してください。皆さんからの熱いメッセージ、お待ちしています!
任天堂 情報開発本部制作部 青沼英二
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