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ウルフ・オブ・ウォールストリート:ジョナ・ヒルに聞く「大好きなスコセッシとレオとの仕事は自慢」

映画

 米ニューヨークで4900万ドル(約50億円)を稼ぎ、“ウォール街の狼(ウルフ)”と異名をとるまでになりながら、放蕩(ほうとう)生活があだとなりあっという間に破滅した“伝説の男”ジョーダン・ベルフォートの破天荒人生を描いた、レオナルド・ディカプリオさん主演、マーティン・スコセッシ監督の映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」が、1月31日から全国で公開されている。この映画の中でジョーダンのビジネスパートナー、ドニー・エイゾフを演じているのが「40歳の童貞男」(2005年)で注目され、ブラッド・ピットさん主演の「マネーボール」(11年)で、ピットさんの助手を演じる姿が印象的だったジョナ・ヒルさんだ。ヒルさんは今回のドニー役で、3月に発表される米アカデミー賞助演男優賞にノミネートされている。同賞のノミネートは「マネーボール」に続いて2度目だ。授賞式を前にした今の心境や、ディカプリオさんとは即興の連続だったという今作での演技について来日したヒルさんに話を聞いた。

 「自分の夢をかなえ、富を得るためだったらモラルも他人のことも関係ない。周囲のあらゆるものを犠牲にしても、自分の衝動を抑える気は毛頭ない男」と演じたドニーを分析するヒルさん。富と成功を手にし、ドラッグも美女もやりたい放題のジョーダン(ディカプリオさん)。暴走しまくる彼の脇で、ドニーは表情こそべビーフェースだが、しでかす行為の危なさはジョーダンに引けをとらない。そんなドニーを演じるに当たって「即興は全体的に多かった」と話す。「スコセッシ監督が許してくれた」ということもあるが、そこには、ヒルさん自身の演技スタイルが深く関わっている。というのも「僕は、台本に書かれていない部分でいろんなことを探求しながら、その場で作り上げるタイプ。そうすることで自分が演じるキャラクターの細部までを演じられ、いい演技が生まれる」からだ。そうした姿勢は、どんなジャンルの作品でもいえることだという。

 とりわけ今回は「大好きなスコセッシ監督」の作品。「レオ(ディカプリオさん)も僕も、素晴らしいものにしようという強い情熱」で挑んだという。「この映画をどういう映画にしていきたいか、どういうふうに作りたいかということについて、レオともども執着した。最高のものを作るためにちゅうちょすることなく全力で突っ走った。素晴らしい映画ができると信じ、互いを信じてやったんだ。そういうことが、たぶん、僕らの演技に出ていると思う」と2人がからむシーンを振り返る。

 ヒルさん自身が気に入っているシーンに、映画終盤にある「レオと2人、すしを食べながらしゃべっているシーン」を挙げる。「ある状況に置かれていることから、僕らは本心を言えないんだ。でも演技としてはそれ(内面)を表現しなければならない。あの場面は、僕が今まで関わった映画の中でも一番気に入っているシーンだね」と胸を張る。もっともこのシーンは、本来はディカプリオさんが言うはずだったせりふを、ヒルさんが機先を制して言ったことから、ディカプリオさんは何テイクもハマチを食べる羽目に陥り、最終的には50貫も食べさせられ、ディカプリオさんにとってはいささかつらいシーンになったようだが……。

 金魚を口の中に入れるシーンもあるが、それも本当に「口に入れた」という。ただし、「3秒だけ」だ。「原作本の中にも書かれてある出来事のなので、本当は食べたかった。だけど動物愛護協会の人たちが許してくれなかったんだ。3秒だけならと許された」と裏話を明かす。もし動物愛護協会が許してくれたら、「食べていた」と真顔で話す。「実際に起きたことがそうであれば、なるべく本物に近い状況でやりたいと思うからね。それだけ僕は、この映画にぞっこんだったということだよ」と役への傾倒ぶりを語った。

 「マネーボール」に続き、今回で2度目のアカデミー賞助演男優賞にノミネートされている。授賞式の3月2日(日本時間3月3日)を1カ月後に控え、「とにかく光栄です」と今の心境を口にする。「最初のノミネートのときは結構緊張していたけど、今回は大好きなスコセッシ監督とレオと仕事をさせてもらって、僕自身、自慢に思っている作品。だから授賞式には母を連れて行き、心から楽しもうと思っているよ」と笑顔を見せる。

 インタビュー開始前、映画のポスターに貼ってある赤いシールを指さしながら「なんて書いてあるの?」と記者にたずね、アカデミー賞5部門ノミネートを告知していることを伝えると「僕の名前も書いてあるの? 日本語で? どれ? ほんと? 日本語で書いてある自分の名前を見たことがないからさ。クール!」と喜んでいたヒルさん。「もし49億円を稼いだら何に使う?」という質問には「小児がんの患者さんたちのために寄付します。そして家族の面倒をみます」と答えていた。その表情は、同じベビーフェースでも映画のドニーとはまったく別人の“心根の優しい人物”を印象づけた。映画は1月31日から全国で公開中。

 <プロフィル>

 1983年生まれ、米カリフォルニア州出身。ニューヨークのバーで自ら書いた一幕劇を演じたのがキャリアの始まり。「ハッカビーズ」(2004年)で長編映画に初出演し、「40歳の童貞男」(05年)に続き、「スーパーバッド 童貞ウォーズ」(07年・日本未公開)で注目を浴びる。11年の「マネーボール」で米アカデミー賞助演男優賞候補に。原案、製作総指揮も務めたチャニング・テイタムさんとの共演作「21ジャンプストリート」(12年・日本未公開)が世界興行収入2億ドル(約204億円)を超えるヒット作となり、現在、続編「22 Jump Street」が製作中。声優としては「ヒックとドラゴン」(10年)に続き「ヒックとドラゴン2」(14年)にも出演している。ほかの出演作に「ジャンゴ 繋がれざる者」(12年)などがある。

 (インタビュー・文・撮影:りんたいこ)

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