Hello Sleepwalkers:アルバムは「ライブで生きる圧倒的に見せられる曲」を収録

2枚目のアルバム「Masked Monkey Awakening」について語ったHello Sleepwalkersのシュンタロウさん
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2枚目のアルバム「Masked Monkey Awakening」について語ったHello Sleepwalkersのシュンタロウさん

 新曲「午夜の待ち合わせ」が、テレビアニメ「ノラガミ」(MBS、TOKYO MXほか)のオープニングテーマになり注目を集める5人組バンド「Hello Sleepwalkers(ハロー・スリープウォーカーズ)」。19日に「午夜の待ち合わせ」を収録した2枚目のアルバム「Masked Monkey Awakening」をリリースした。男女ツインボーカルによる柔軟な表現と作風にも関心が高まるが、結成当時のエピソードや自らの音楽ルーツ、新作などについて、ボーカル&ギターのシュンタロウさんに話を聞いた。

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 −−初めて音楽に触れたのはいつごろですか?

 僕は姉が3人いて、三女の姉がバンドでベースを弾いてたんですけど、僕が小6のころ、もうバンドをやらないからベースを買えと。くれるんじゃなくて購入させられるという(笑い)。それでベースを弾き始めて、中学くらいでギターに手を出して、そこからバンドをやるようになって。最初に弾き始めたのがHi−STANDARDだったんですよね。次女の姉がHi−STANDARDが好きで、家に楽譜があったし、音源も姉が持っていたので。

 −−現バンドのメンバーとは高校や大学で知り合い、今の形になったのが2010年ごろだそうですね。Hello Sleepwalkersはシュンタロウさんと紅一点のナルミさんとの男女ツインボーカルが一つの特徴だと思うのですが、このスタイルになった経緯は?

 僕とベースのマコトとナルミが同じ高校で、ナルミがちょうど僕と同じ軽音楽部だったんですけど、ナルミはもともとアコギのデュオみたいなのをやっていて、歌声がいいなと。新しくバンドをやるにあたって武器になるなと思ったし、元から歌ってほしくて「やってくれないか」って頼んだんです。ナルミは最初はコーラスのつもりで入ったみたいですけどね。

 −−今は地元の沖縄から上京し、男性陣はシェアハウスで共同生活をしているそうですね。家事分担とかもしてるんですか?

 ナルミも近くに住んでいて、わりと普段からみんな一緒にいます。最初は(分担で)やってたんですけど、だんだん役割が崩壊してきて(笑い)、最近はタソコ(ギター)に任せきりです。あと、ナルミが料理を作りに来てくれます。

 −−それはいいですね(笑い)。では、新曲「午夜の待ち合わせ」についてお聞きしたいのですが、テレビアニメ「ノラガミ」のオープニングテーマのための書き下ろし楽曲ということですね。

 疾走感やサウンド面で「迫力を」という曲調の要望はあったので、そこは意識して書きました。ただ、歌詞はそんなにアニメに寄せなくてもいいということだったので自由に作ることができた感じですね。“午夜”って夜の12時のことなんですけど、そこで1日が終わってまた始まる。明日の自分が今日の自分をちゃんと引き継いでいくから、安心していいよっていう曲です。今日の自分と明日の自分の(待ち合わせ)っていうことですね。

 −−そんな「午夜の待ち合わせ」を収めたアルバム「Masked Monkey Awakening」も完成しましたね。今作のテーマやコンセプトは?

 ライブで生きる曲、圧倒的に見せられる曲というイメージでは作ってます。曲順もライブのセットリストに近いですね。前半は飛ばして、6曲目の「天地創造」という曲を境目にワンクッション置いて、終わりに向かうという。

 −−すごく広い視野や時空で物事をとらえている曲が多いですね。1曲目の「猿は木から何処へ落ちる」は進化と退化を歌っていたり。

 曲のスケールは確かにデカイですよね。音楽的な広がりを曲に求めるにあたって、そういう表現が多いのかなと。「猿は~」は動物のタイトルの曲を書きたくて、それがたまたま猿だったんですけど……。賢くなることが進化っていうわけではない気がしていて、それで失うものがあったら、それは退化と呼んでいいんじゃないかなと思って。音楽も自由にやるために学んだら、それはもう自由じゃないと思うし。

 −−その一方で、ご自身の年齢を示す「23」というパーソナルな曲もあって、「何もかも全部、放り出してしまいたくなるような夜は……」といった歌詞もリアルですよね。

 2年前に「21」という曲を出したんですけど、そこから歌詞だけ少し変わっていて、音はほとんど一緒というか。「23」は完全に上京したあとのものなので、「21」では「自転車」だったものが「電車」に変わっていたり、「駅」というふうに変えたり。沖縄は電車がないので、そういう部分で今の心境をよりダイレクトに入れるようにしました。単純に何かうまくいかなかったときとか、心が弱っているときは(歌詞にあるように、全部放り出してしまいたくなるときが)わりと普通にありますね。

 −−タイトルの「Masked Monkey Awakening」の意味合いは?

 ライブ向けっていうので、今まであまりやらなかった“荒々しさ”が出ていて、それが仮面をかぶっていた部分だなと。猿のように野蛮な感じとか、覚醒するような曲がいっぱい入ってるなと思って最後に付けました。バンド名も、夢遊=Sleepwalkのsleepとwalkって対極にある言葉で、それが僕らの二面性に直結してるなと思って。普段は寝てる感じなんですけど(笑い)、音楽をやるときは必然的に起きるし、歩くし……。曲によっても「猿は~」と「23」でこれだけ違うし、どっちも面白いなと思って。一聴してライブに来てくれたら、このアルバムを作った意味があるかなと思いますね。

 <プロフィル>

 メンバーはシュンタロウさん(ボーカル&ギター)、ナルミさん(ギター&ボーカル)、タソコさん(ギター)、マコトさん(ベース)、ユウキさん(ドラム)の5人。2012年にアルバム「マジルヨル:ネムラナイワクセイ」でメジャーデビュー。14年1月29日にテレビアニメ「ノラガミ」のオープニングテーマとなるシングル「午夜の待ち合わせ」をリリース。シュンタロウさんが初めてハマったポップカルチャーは「格闘技ゲームの『ザ・キング・オブ・ファイターズ’97』。小学校低学年のころ、ゲームセンターで夢中になってやってました」と話した。

 (インタビュー・文・撮影:水白京)

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