桐谷健太:「代表作になれば」  ドラマ「埋もれる」で難役に挑戦

1 / 6

 俳優の桐谷健太さんが主演するドラマ「埋もれる」(WOWOW)が16日に放送される。不気味なゴミ屋敷を”取り巻く人々を描いたミステリーで、挫折からはい上がろうとする難役に挑戦した桐谷さんは同作が「代表作になれば」と意気込む。一方で「やっと芝居が楽しくなってきた」と明かす桐谷さんに話を聞いた。

あなたにオススメ

 ドラマは「第6回WOWOWシナリオ大賞」を受賞した香坂隆史さんの「愛の告発」が原作。勤め先の大手食品会社を内部告発したことから、職と妻子を失った北見透(桐谷さん)は、傷心のまま故郷に戻り、市役所の非常勤職員として働き始める。ある日、上司の命令で以前から問題視されていたゴミ屋敷へと向かった北見は、その隣の家に住む初恋相手に再会する……というストーリー。国仲涼子さん、緑魔子さん、大友康平さんらも出演する。

 桐谷さんは台本を読んだときの印象を「最初は社会派のドラマかなあと、『真面目な話がきたでー』と思ったんですが……。台本を読んでいくうちにだんだん鳥肌が立ってぞっとして終わって。どう演じようとかではなくストーリーにのみ込まれていった」と振り返った。

 正義感から会社を追われて何もかも失い、さらに同僚の人生も狂わせたことに思い悩むという難しい役どころだが、「難しい」と気負うことはなく「そのまま北見に入り込んでいけた」という。「自分のプランやこう演じようという道筋があったら(物語に)“埋もれ”ることができないと思った。演じながら“埋もれて”いくのもいいかなと思った」と振り返る。

 昔は台本を何回も読んで「こう動こう」と決めて撮影に臨むことが多かったというが、今は“ライブ感”を大切にしている。「演じる役の軸やクセ、体の動きさえ自分の中でつかんでいればいいと思う。せりふや動きをしっかりと覚えていると会話のテンポが想像の範疇(はんちゅう)を超えないものになってしまう。むしろそれが崩れたときの喜びや『生っぽさ』を撮ってもらう感覚が今は楽しくて仕方がない。やっと芝居が楽しくなってきた」と明かした。

 ドラマを演出した吉田康弘監督とは、桐谷さんが映画デビューを果たした「ゲロッパ!」(2003年・井筒和幸監督)の現場で出会って以来の付き合いだ。同じ大阪府出身で同じ年齢ということもあり、桐谷さんは監督を「よっしー」と親しみを込めて呼ぶ。桐谷さんはそんな「よっしー」から5~6年前に言われた「代表作を1本でも作らないといけない」という言葉が心に残っているという。「人から『あの役がすごくよかった』と言われたことはあっても『これが代表作だ』と言えるものが自分にまだない。(同作が)代表作になれば」と力を込めた。ドラマはWOWOWプライムで16日午後10時に放送。

写真を見る全 6 枚

テレビ 最新記事