潘ちゃん×潘さん交換日記:終わりと始まり 潘めぐみ

先代の長峯監督の青きプリキュア・キュアマリン役の水沢史絵さんと一緒にパイナップルリレー。これから恒例にしていきます。
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先代の長峯監督の青きプリキュア・キュアマリン役の水沢史絵さんと一緒にパイナップルリレー。これから恒例にしていきます。

 「HUNTER×HUNTER」のゴン役などで人気上昇中の声優・潘めぐみさんと、「機動戦士ガンダム」のララァ役などの声優としても知られる母親の潘恵子さんが、さまざまな思いや出来事を交換日記形式でつづります。今回は、めぐみさんが終わっていく作品や新しく始まる作品に思いをはせます。

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 みなさん、おはようございます!こんにちは、こんばんは、はじめまして! 潘めぐみです!

 2月は東京でも観測史上最も記録的な大雪に見舞われ、3月もまだ寒さが続いていますね。

 日ごろからお便りやツイッターでリプライをくださる方の中には、学生の方もいらっしゃって「今日から春休みです!」「今日が卒業式でした!」という声が。このコラムを読まれている方の中にもいらっしゃるのでしょうか。

 さあ、この春はイベントも満載! 2月末から3月にかけて、私もさまざまなイベントに出演させていただいております!

 その一つが、2月23日に外苑前の「トゥ・ザ・ハーブズ」さんで行われた「ハンター×ハンター×ピザーラ」のトークショー。「劇場版 HUNTER×HUNTER-The LAST MISSON-」の最後のイベントです。まさにラストミッション。イベントに参加されたのは、「ピザーラ」のピザを食べて、応募してくださった方の中から抽選で選ばれた方々。貴重なお休みを、この日のために。遠路はるばるお越しくださったお客さんもいらっしゃいました。

 そうしてお越しいただいた皆さんのためにも、アットホームで楽しい時間を過ごしていただけるよう、感謝の気持ちを込めてイベントに臨ませていただきました。会場内には、おいしいお料理と飲み物が準備されていて、開演までの時間、皆さんに堪能していただきながら、スクリーンには、「HUNTER×HUNTER」のアニメが流れていました。

 そうして始まったイベントでは、母である“潘さん”をスペシャルゲストにお招きしてトークショー。そして、ハンターでは初めての試みであるライブパートに、ジャジャン拳大会(という名のジャンケン大会)、お客さんと一緒にアフレコ体験など、イベントの中にイベントが盛り込まれたボリュームある内容に。イベントの最後には、お越しいただいた皆さんと集合写真を撮り、一人一人と握手を交わしながら、お土産を手渡して、お見送りさせていただきました。

 実は、今回のイベントを含めたこの「HUNTER×HUNTER」と「ピザーラ」のコラボ企画は、度重なるご縁の中で実現したのです。そうだよね、お母さん。

 以前、コラムにてご紹介させていただいた、ピザーラの浅野秀則会長とそのご家族。出会いは約20年前にさかのぼります。当時3歳くらいだった私は、毎日のように近所の公園で遊んでいました。その公園で一緒に遊んでいた友達のうちの1人が、浅野さんのお子さんだったのです。

 しかし、小学校に入ると公園で遊ぶ機会も減っていき、そのとき一緒に遊んでいた子たちは引っ越してしまったりと、会えない日々が続いていきました。そしてその間に、私は、以前のコラムでも紹介した小学校で親友のSちゃんに出会い、「HUNTER×HUNTER」を教わり、夢のきっかけを見つけ、その後、中学、高校、大学と、夢をかなえるべく、少しずつ歩みを進めていったのです。

 たくさんの出会いがある中で、またどこかで浅野さんにお会いできないかなと、ふと思いをめぐらせていた時、そのきっかけとなる人物に出会ったのです。その人物というのが、ゲーム「ペルソナ」シリーズの楽曲を歌われている、川村ゆみさん。

 そのゆみさんと潘さんと「トゥ・ザ・ハーブズ」で食事をしていたときのこと。何気ない会話のやりとりの中で、ゆみさんと浅野さんのご家族に交流があることを知りました。ピザーラと同じ会社が経営するトゥ・ザ・ハーブズという場所なだけに、つながった瞬間、なんとも言えぬ感動とご縁を感じました。

 こうして20年ぶりの再会を果たすことができ、ピザーラの会長である浅野さんをはじめ、関係者の皆さんのご協力の下、今回の企画を実現することができたのです。そして、そのイベントを完成させてくださったのは、お越しいただいた皆さんです。皆さんと作り上げた時間と空間。たずさわった全ての方々に、本当にありがとうございました。

 そして、今回参加することのできなかった方々にも、お会いできる機会を作れるように頑張りますので、これからも、応援のほど、よろしくお願い申し上げますとともに「HUNTER×HUNTER」と「ピザーラ」を、皆さんに愛していただけたらと思います。

 さあ、そうして迎えた3月。新しい環境に向けて、出会いがあれば別れもある。その逆もまたしかり。終わりがあれば始まりがある。

 最終回の収録を終え、打ち上がった作品がいくつかありました。「ジュエルペット ハッピネス」「遊☆戯☆王ZEXAL2」「LINE TOWN」どれも1年、2年、3年と続いてきた作品です。

 いずれも視聴者として見ていた時期と出演者としてたずさわらせていただいた時期のあるシリーズ作品。最終回の収録を終えた後も、その実感がなくて、まだ続いていくような気がして……。あまりの名残惜しさにスタジオに長居してしまったり……。打ち上げを迎えた日も、まだここにいたいと思っては、時間は止まってくれなくて……。だけど、そうしてさびしさを感じるのと同時に、そう感じられる作品にたずさわらせていただけたことが、本当に幸せなことだとも思うのです。感謝の気持ちでいっぱいです。

 オンエアは、これから最終回を迎えます。より多くの方々に、作品を通して、いろんな感情を、気持ちを伝えたい。このコラムを読んで、作品を見ていただけるような、何かを感じていただけるような、そんなきっかけになれたらなと思います。たとえ、終わってしまっても、皆さんの記憶の中にあり続けていきますように……。

 そして中には、フィナーレを迎えながら、はじまりとも言える作品があります。それが「映画 プリキュアオールスターズ New Stage3 永遠のともだち」(3月15日公開)です。

 プリキュア10周年の歴史の中、今年で6年目になるオールスターズ。このニューステージシリーズは3年目にして3部作の最終章。この節目中の節目に「ハピネスチャージプリキュア!」初参戦です。

 プリキュアオールスターズということで、歴代のプリキュアが集結する一大イベント。期待に胸を膨らませながらも、収録が行われたのは、白雪ひめとして、キュアプリンセスとして、駆け出したばかりの日。不安や心配、プレッシャーは、ゼロではありませんでした。

 しかし、どんな作品においても状況は同じ。たとえば、一つの作品の中で、一度の出番のとき、その一話に、その一シーン、一カットに、その人物をつくり上げて凝縮しなければならないことだってあるのだから。

 そうして挑んだ収録でしたが、収録が始まると、緊張の中に楽しさを見出しては、高揚している自分がいました。先輩プリキュアである皆さんの背中を見ながら、横に立ちながら、その場に一緒にいられることの幸せ。逆に「ハピネスチャージプリキュア!」が始まったばかりの、このタイミングでオールスターズの収録を経験できたというのは、とてもありがたい機会だと思いました。10年のときを、あの熱量を、先輩方から受け継ぎ、これからへと思いのバトンをつないでいくために。

 収録後には、恒例行事(?)のバナナリレーも行われました!「ドキドキ!プリキュア」のキュアハート役・生天目仁美さんからキュアラブリー役・中島愛さんに、チキータバナナが手渡されました! その記念すべき瞬間の写真も載せておきますね!

そして、今年から恒例(にしていきたい!)の青の継承式! パイナップルリレー! 「ハートキャッチプリキュア!」のキュアマリン役・水沢史絵さんから「ハピネスチャージプリキュア!」のキュアプリンセス役・潘めぐみに、パイナップルが手渡されました! こちらの写真も載せておきますね!

 史絵さんがブログに書かれていたように、キュアマリンもキュアプリンセスも、長峯達也監督の青きプリキュア! どことなく2人には通じるものがあると、そう感じたのです。ほら、写真からあふれ出ているでしょう!

 史絵さん、私、がんばります! たくさんの人々にハピネスを届けていけるように! 史絵さんをはじめ、先代のプリキュアである先輩方から、たくさんのエールをいただきました。

 そして、皆さんが伝えてくださったことは「特別な1年になるよ」。

 この言葉は、きっと、代々、魂と共に受け継がれてきた言葉だと思うんです。だから私も1年後に、この言葉をパイナップルとともに後輩プリキュアに手渡せるよう、今は「ハピネス注入!幸せチャージ!ハピネスチャージプリキュア!」です!

 「永遠のともだち」では、夢の世界を通じて、総勢36人のプリキュアが出会い、力を合わせて共に戦います。初めましてだけれど、不思議とどこかで会ったことのあるような、ずっと一緒にいるような、そんな感覚が役を通じて芽生えて。その感覚は「ハピネスチャージプリキュア!」の収録が始まった時の感覚と似ているような気がします。出会ったばかりなのに、始まったばかりなのに、もう友達。もう大好き。この感覚は、一緒に過ごした時間の長い短いの関係ではなく、理屈じゃない何かが、そこにはあって。この10年間という月日、それぞれのシリーズがありながらも、プリキュアという運命が互いをつないで……。「永遠のともだち」ぜひ、劇場でご覧ください。

 本当は、もっと書きたいこと、伝えたいことがたくさんあって、それぞれについて語りはじめると止まらなくなってしまうので、今回はこの辺で締めくくることにします。

 では、潘さん、よろしくお願いします。

 ◇プロフィル

 潘めぐみ(はん・めぐみ)=1989年、東京都生まれ。2008年に映画「櫻の園」の一般公募オーディションに合格し女優デビュー。ドラマ「オトメン−乙男−」のほか舞台などにも出演。11年に、100人を超えるオーディションをへて、アニメ「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン役に抜てきされた。アニメ「ハピネスチャージプリキュア!」の白雪ひめ役、ゲーム「The Last of Us」のエリー役などを好演し注目を集めている。

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