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中島美嘉:「自分の声が嫌いだった…」から劇的変化 カバーアルバムを作って感じること

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 歌手の中島美嘉さんが、初のカバーアルバム「ずっと好きだった~ALL MY COVERS~」を12日にリリースした。今作は、豪華アーティスト陣によるDREAMS COME TRUEのカバー集「私とドリカム−DREAMS COME TRUE 25th ANNIVERSARY BEST COVERS−」(3月26日発売)にも収録される「やさしいキスをして」(新録)のほか、尾崎豊さんの「I LOVE YOU」、久保田利伸さんの「Missing」、定番曲「AMAZING GRACE」など、これまでの中島さんのキャリアの中で取り組んできたカバー曲の数々で構成されている。そんなカバーアルバムの制作秘話や収録当時のエピソードなどについて中島さんに聞いた。

 −−10代のころからDREAMS COME TRUE(ドリカム)が好きだったそうですね。

 「DELICIOUS」(1995年)から「the Monster」(99年)あたりのアルバムは買って聴いていました。中学のころ、カラオケに行くと歌ってましたね。「決戦は金曜日」とかはみんなで盛り上がって歌えるテッパン曲なので、歌っていた覚えがあります。(ボーカルの)吉田(美和)さんの声や歌は、嫌だっていう人はいないんじゃないかなって。逆に失礼にあたるからあまり褒めたくないぐらい(笑い)。とにかく素晴らしいと思います。

 −−DREAMS COME TRUEの「やさしいキスをして」をカバーすることが決まったときは涙がこぼれたとのことですが、どんな気持ちだったんでしょうか?

 この曲は、ずっとボイトレ(ボイストレーニング)のときの練習曲にしていたんですけど、誰にもそれをいってなくて、今まで練習してきたのは誰も見てなかったんだけど、(カバーすることが決まったときは)「もうそろそろみんなに聴いてもらったら?」と誰かにいわれているみたいで、何か一人で感動したんですよね。

 −−カバーするにあたってどのように曲と向き合いましたか?

 (人を愛する感情として)狂気的、猟奇的、みたいなイメージがすごく強い曲で、叫ぶように歌う美和さんの歌い方から、心の痛みが伝わってくる感じがして……。ボイトレのときは美和さんのように力強く歌えるようになりたくてやっていたんですけど、自分が歌うのであれば、強さとかよりも、静かな切なさを表現したほうが私っぽいのかなっていうのはありました。ドリカムさんの曲は歌える自信がなくて、ご本人たちに聴かれるのが嫌だったし、いい意味で避けてきたので、かなり挑戦だったかもしれないです。

 −−では、ほかの曲についてもお聞きしたいのですが、「AMAZING GRACE」は、CDデビューより前に出演していたドラマ「傷だらけのラブソング」の劇中で歌っていた曲でもありますね。

 当時は(歌の背景を)何も知らないまま歌ってたんですよね。でも今は(それを知って)、鎮魂歌というすごく強いエネルギーを持ってる曲だから、もう軽くは歌えなくなっている自分がいて、今、またレコーディングしたら全然違うものになるのかなと。でも、もうオリジナルのつもりで歌ってるし、(実際のデビュー曲の)「STARS」よりも私の中ではこれがデビュー曲のイメージなんです。

 −−また、ジャズやラバーズロック(レゲエの一種)、「朧月夜~祈り」では日本の唱歌など多様なジャンルに挑戦しています。

 ジャズが自分の声に合う気がしていた時期があったというのと、ラバーズロックは、当時のプロデューサーが「絶対に合う」って発見して、私はこういう温かいリズムの曲は自分に合わないと思ってたんですけど、歌ったときにすごく心地よくて“合うんだな”って。あと「朧月夜~祈り」は、小さい子からおじいちゃん、おばあちゃんまで絶対にこの曲(「朧月夜」)は知ってるから、せっかくなら「こういう歌もこの子は歌うんだ」って思ってもらえるようにしたくて、変に力を入れないように歌いました。

 −−NANA starring MIKA NAKASHIMA名義による「MY WAY」はシド・ビシャス(英国の伝説のパンクロッカー)が歌ったバージョンのカバーで、ロックテイストという意味でも本作の中では異色ですね。

 シドが歌ってる「MY WAY」のイメージをすごく強く出したかったので、あまり正しく歌わないようにしたいけれど、私はそういうのがあまり上手ではなかったので、スタッフを集めてゴハンに行って盛り上がって、そのままブースに入ってスタッフとみんなで歌いました。いつもは誰にも見られないようにシャットアウトして歌うから、ちょっと逆のことをしてみようかな、みたいな。

 −−ちなみにジャケット写真は、1930年代に活躍した女優で歌手のマレーネ・ディートリヒさんをオマージュしたビジュアルだそうですが、マレーネさんのどんな点に引かれたんですか?

 勝手な解釈ですごく失礼かもしれないけれど、彼女の独特のメークやファッションは、コンプレックスからくるものなんじゃないかと思ったんです。私の異常なファッション好きやメーク好きもコンプレックスからなので。私はもともとすごく小さくて、細くて、それをどう隠すかっていうところからファッションを勉強するようになったので、もしかしたら似ているのかもしれないなって。

 −−さまざまな要素が詰まった作品ですね。ご自身で聴いて感じることは?

 私はP!NKや(クリスティーナ・)アギレラみたいな太くて力強い声にすごく憧れていて大好きなんですけど、私の声は細くて、どこか切なさや苦しさを感じる声で……。だから最初は自分の声が嫌だったんですね。でも、このアルバムを聴いて「もしかしたら、すごくいい声をしているのかも」って思えたんです(照れ笑い)。カバーもすごく苦手にしてきたんですけど、これを聴いてまったく考えが変わって、すごくいいなって。聴いていてすごく気持ちよかったんですよね。私の中ではヒーリングアルバムみたいなイメージがあって、“カッコイイ”“カワイイ”とかいろいろな表現があるとしたら、このアルバムは“キレイ”っていう感じです。

 <プロフィル>

 1983年2月19日生まれ、鹿児島県出身。2001年にシングル「STARS」でデビュー。4月1日公開の品川ヒロシ監督映画「サンブンノイチ」にキャバ嬢役で出演。中島さんが子供のころから「ずっと好きだった」という食べ物は、「白米」。「あまりよけいなおかずはいらないタイプ。ご飯と明太子だけとかの方が好き」と話した。

 (インタビュー・文:水白京)

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