吉高由里子:朝ドラ新ヒロインは「へらへらしてられない」 「花子とアン」に懸ける思い

「花子とアン」の主演を務める吉高由里子さん=NHK提供
1 / 6
「花子とアン」の主演を務める吉高由里子さん=NHK提供

 女優の吉高由里子さんが主演のNHK連続テレビ小説「花子とアン」が31日、スタートする。放送を前に「朝ドラは学校行くときに、テレビでついていたなあ……。誰かの日常に添えられている15分と思うと緊張するし、ワクワクする。へらへらしていられない」と語る吉高さん。大ヒットした「あまちゃん」の能年玲奈さん、高視聴率を記録している「ごちそうさん」の杏さんに続く、新たな“朝の顔”に、大役に挑む意気込みを聞いた。

あなたにオススメ

 ◇“じぇじぇじぇ”ブームに「ハードル上げないで…」

 ドラマは、モンゴメリの名作「赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子の明治・大正・昭和にわたる波瀾(はらん)万丈の半生を、ドラマ「Doctor−X」(テレビ朝日系)などの中園ミホさんの脚本で描く。原案は、花子の孫・村岡恵理さんの著書「アンのゆりかご」。花子は、山梨の貧しい家に生まれ、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活をへて翻訳家の道に進んだ人物で、吉高さんは10~50代の花子を演じる。仲間由紀恵さんや室井滋さん、伊原剛志さんらも出演する。

 吉高さんが朝ドラに出演するのは今回が初めてで、大役を射止めたときを「昨年の6月でしたね。(『あまちゃん』の)“じぇじぇじぇ”がはやっていたし、ハードルを上げるのをやめてよ……と思っていました。(朝ドラは)フレッシュなイメージだし、私で大丈夫なのか?と不安になった」と振り返る。大役ということもあり「自分よりもマネジャーが50倍喜んでいた。夢だったみたいで、タイトルバックに名前が出ているのを見て、号泣していた。家族はいつも『見たよ』とか言わないのに『頑張れるか?』などと言ってきた。喜んでくれる人の顔を見たら頑張ろうと思った」と周囲の反応に驚きつつ気合が入ったようだ。

 ◇座長の手本は仲間由紀恵 「こうあるべきなんだなあ」

 撮影では、英語や所作など学ぶことが多いといい、「習うことがたくさんあるんです。英語は、意識しすぎて、舌を出しっぱなしで、小型犬みたいになったり……。それに左利きだから、今までの作品はそのままやっていたけど、右利きにしないといけなくて……」と苦労も多いという。一方で「たくさん共演者の方がいて、撮影が始まり、この方々と共演できて本当にうれしいと思っています。どんどん愛情が湧いてきます。長い期間の撮影なので、(クランクアップの)8月末には愛が重くなっているかも(笑い)」と作品や共演者に対する愛が深まっているようだ。

 吉高さんが撮影現場で頼りにしているのが、1998年の「天うらら」以来、16年ぶりに朝ドラに出演する仲間さんだ。「すごくしゃべってますよ。仲間さんは(出番が終わっても)控室に戻らないんですよ。『頑張ろう!』って声を掛けてくださったり、本当に元気でキラキラしています。主演ってこうあるべきなんだなあ……と勉強になります」と楽しそうに話す。仲間さんが演じる葉山蓮子は、花子と女学校で出会い、最初は周囲から浮いた存在だったが、やがて親友となる。吉高さんは、個性的な蓮子について「超むかつくの! でも面白い。仲間さんは楽しんでらっしゃいますね」と冗談めかして話す。

 ◇「愛される作品になる」という自信も

 朝ドラの撮影はハードスケジュールといわれており、吉高さんも「しんどいところはありますが(歴代ヒロインが)みんなやっていたと思うと、文句は言えません」と大役を全うしようとする強い意志を見せる。完成したドラマの1週目を見たときはいろんな思いが去来したといい、「フレッシュで朝の顔だな……と思った(笑い)。ほっとしたり、くすぐったい部分もあった」と明かす。

 「いい作品になるな!と思っています。私は自信がない人なので、人様の前でこういうことはあんまり言わないんですけど。ただ、(以前出演した映画)『横道世之介』のときもそう思ったんです。愛される作品になるという実感があります」と手応えを感じているようだ。新たな“朝の顔”の活躍に期待がかかる。

 「花子とアン」は、31日からNHK総合で毎週月~土曜午前8時ほかで放送。全156回。

写真を見る全 6 枚

テレビ 最新記事