「萌の朱雀」(1997年)や「殯(もがり)の森」(2007年)で知られる河瀬直美監督の最新作「2つ目の窓」が17日、第67回カンヌ国際映画祭(5月14~25日)のコンペティション部門に正式に出品されることが決まった。河瀬監督は18日、東京都内で会見し、「最高傑作であることは間違いない。そんなこというのは初めて」と出品作について語り、受賞すれば日本映画として「うなぎ」以来17年ぶりとなる最高賞パルムドールに向けて「パルムドールしかない、それを目指すしかないと思っています」と力強く獲得を宣言した。
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「2つ目の窓」は、「萌の朱雀」でカンヌ映画祭カメラドール(新人監督賞)、「殯の森」で同グランプリ(審査員特別大賞)を受賞し、昨年は同映画祭で日本人監督として初めてコンペティション部門審査員も務めた河瀬監督の最新作。鹿児島県の奄美大島の雄大な自然を舞台に、16歳の少年と少女の初恋と成長、自然との共存や生と死などのテーマを描く。
歌手のUAさんと俳優の村上淳さんを両親に持つ村上虹郎(にじろう)さんが主演することも話題で、村上虹郎さんは、女優の吉永淳さんとともにオーディションで抜てきされ、ダブル主演を務める。父・淳さんも出演しており、デビュー作で親子共演が実現。そのほか杉本哲太さん、松田美由紀さんらも出演している。日本、フランス、スペインの合作で7月26日に全国公開予定。出資したWOWOWでは公開に先駆けて6月1日午後10時からWOWOWシネマで今作を放送することが決まった。
村上虹郎さんは「なにもかも初となる出来事の連続の中、河瀬監督を母とする熱いパーティーに必死でついていってたら、もうここまできてしまった。胸が高鳴りながらも、現場での感覚との実感がまだつながっておらず不思議な感覚です。監督、本当にありがとうございます。そして、おめでとうございます」とコメントを寄せている。
第67回カンヌ映画祭のコンペ部門にはほかに、ジャン・リュック・ゴダール、ミシェル・アザナビシウス両監督らの新作などが出品されている。コンペ部門はニュージーランドの映画監督でありプロデューサー、脚本家としても活躍するジェーン・カンピオン監督が審査員長を務める。受賞結果は最終日の5月25日に発表される。
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