ラノベ質問状:「銃皇無尽のファフニール」 王道でありながら個性も

ツカサさん作、梱枝りこさんイラストの「銃皇無尽のファフニール」
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ツカサさん作、梱枝りこさんイラストの「銃皇無尽のファフニール」

 話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は「銃皇無尽のファフニール」(ツカサさん作、梱枝りこさんイラスト)です。講談社のラノベ文庫編集部の庄司智さんに作品の魅力を聞きました。

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 −−この作品の魅力は?

 強大な敵に立ち向かう主人公やヒロインたちというエンターテインメントの王道の面白さが一番の魅力だと思います。作中の世界では、ドラゴンと呼ばれる7体の怪物たちによって人類が危機にさらされており、ドラゴンの力を持った“D”と呼ばれる少女たちがその怪物と戦っています。そして、“D”の少女たちが集まる学園に、男性ながら唯一その能力を持っている主人公が入学させられるところから物語は始まるのですが、ヒロインとの出会いは、全裸を見てしまったのがきっかけで……(笑い)。

 そういったお約束のサービスシーンや、ドラゴンとのバトルの盛り上がりなど、見どころはたくさん詰まっていますね。また、主人公が能力を使う際に、とある“代償”を払っていて、それが物語を引き締めていると思います。ヒロインたちの可愛いらしさ、主人公のカッコよさ、バトルの熱さ、そして、その影に少しだけある苦さ。それらのバランスがとてもいい作品です!

 −−作品が生まれたきっかけは?

 ツカサ先生との出会いは、共通の知り合いのイラストレーターさんからご紹介いただいたのがきっかけでした。初めて顔合わせをした有楽町のカフェで、「ドラゴンが出てくる物語を書きたいです」「やりましょう」という会話が交わされて。そこからはとても早かったですね……!

 最初にお会いしたときからあっという間にプロットのやりとりが進んで、その月のうちに初稿が完成してしまったという、ライトノベルの新規企画としてはなかなかないスピード感でした。

 イラストレーターさんについては、バトルもありの作品なので、いろいろな方向性の方が選択肢としてありえたと思います。ただ「キャラクターの魅力を最大限に推していきましょう」とツカサ先生ともお話ししていましたので、梱枝りこ先生にお願いしたいというイメージがかなり初期から具体的にありましたね。ヒロインたちをとても可愛らしく描いていただいて、直感を信じて大正解でした!

 −−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?

 ツカサ先生はたいへん真面目な方ですね。僕が割とアバウトなので、ツカサ先生とのプロットや原稿のやりとりでは「いい感じで適宜お願いします」とか「もっとガーッとやってください」とか、そんなざっくりしたことばかり言ってるのですが……(笑い)。ツカサ先生はそれを適宜くみ取って、きちんと内容に反映させてくださいます。

 梱枝りこ先生とは、以前お仕事ご一緒した際の企画が学園ラブコメだったので、今回はバトルものということで、また新しい方向性の作品ができたのではないかと思っています。「コミックアライブ」さん誌上で「ありすorありす」という4コママンガの連載も抱えていらっしゃり、大変お忙しい中、とても速く、かつクオリティーの高いイラストを毎回上げてくださるのは、ほんとうに頭が下がりますね。

 お二人ともいつもスケジュールをきちんと守ってくださるので、それがいつまでも続くといいな……と、ここでさりげなくアピールを(笑い)。

 −−編集者として作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。

 ツカサ先生の文章には、ハッとする印象的なフレーズやせりふが毎巻あって、それらと出会うのがいつも楽しみです。また、各巻ラストに、先が気になる“引き”を作ることを意識しているので、一読者として続きがとても気になります。

 また、梱枝りこ先生のイラストがとてもすてきなので、ラフや完成データをいただくとものすごくテンションが上がりますね!

 大変なことは……うーん、ないです(きっぱり)。この作品をもっと面白くしたい、もっと多くの読者さんに手にとってもらいたい。そういったことに集中できるのは、編集者としてとても幸せですね。

 −−今後の展開は?

 現在シリーズ4巻まで好評発売中で、次の5巻は7月発売予定です。学園祭や水着、それに和装など、サービスたっぷりの内容ですよ!

 また、この原稿を書いている段階(4月)で、ツカサ先生からは既に6巻の原稿もいただいております。あまり間をあけずにペースよく読者の皆さまにはお届けできる予定です!

 メディアミックスも、「good!アフタヌーン」誌上でサブロウタ先生によるコミカライズが好評連載中です。そのほかの展開は……ちょっとまだ言えません。秘密ということでご期待ください(笑い)。

 −−最後に読者へ一言お願いします。

 王道でありながらこの作品ならではの個性も十分にある。個人的には、ライトノベルならではのおいしさが最大限に詰め込まれた、ある種のお手本ともいえるシリーズだと思っています。ライトノベルを書いてみたい方、あるいは「ライトノベルって何?」という方などにぜひ読んでいただきたいですね。60歳近くのうちの母親も楽しんで読んでいるようですので(笑い)。

 そして今後も、もっともっと先まで“プロジェクト・ファフニール”は駆け抜けていく予定ですので、ぜひ応援よろしくお願いいたします!

講談社 ラノベ文庫編集部 庄司智

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