井上芳雄:「僕にやらせなくて誰にやらせる!」 WOWOWトニー賞SPサポーターに気合十分

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 “ミュージカル界のプリンス”と呼ばれる俳優の井上芳雄さんが、WOWOWで6月9日に初放送する演劇界の最大の祭典「第68回トニー賞授賞式」のスペシャルサポーターに就任し、このほど、東京都内で取材に応じた。同賞の生中継にゲスト出演する井上さんは、スペシャルサポーター就任に「『僕にやらせなくて誰にやらせるんだ!』と思っているぐらい(笑い)」と冗談めかして意気込みを語った。

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 トニー賞は1947年に創設され、今回で68回目。ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開催される。演劇とミュージカルそれぞれに、作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、技術賞などがあり、合計26部門と特別賞を授与している。ニューヨーク・ブロードウエーの劇場で公演された作品が対象で、800人以上の関係者の投票で決定。司会は、自身4度目となる俳優のヒュー・ジャックマンさんが務める。

 今回、大役を務めることになった井上さんは「ミュージカルをやっている自分たちにっては、トニー賞と聞くだけでテンションが上がる。それに少しでも関わることができるのは、うれしいし、ありがたい」と喜びを語り、「僕の中では何より(知名度は)高いけど、普通の日本の方には知られていない。そこのギャップを埋める橋渡しができれば」と同賞の知名度向上に使命感を燃やした。

 トニー賞は豪華な顔ぶれの受賞者やゲストたちがステージ上で展開するショーも見どころで、司会者のパフォーマンスやサプライズ演出も大きな魅力の一つだ。「誰が(賞を)取るのかより、僕たちはそちらがメイン(で注目している)。自分にとっても刺激をもらうというか、『やっぱりすごいなブロードウエーの俳優さんは』って思いたい」と自分なりの楽しみ方を明かす。

 さらに、「夢として、日本にもトニー賞みたいなものを」と希望を語り、「米国演劇界ではトニー賞の意味合い(存在)が大きい。(演劇界を)活性化させているというのがある。日本の演劇やミュージカルにも(トニー賞のような)誰でも知っているものがあれば、もっと劇場に来やすくなると思う。この仕事をやらせてもらいながら学びたい」と意気込みを語った。

 井上さんはスペシャルサポーターとして、同賞をPRする同局のミュージカル風スポットCMに出演する。ミュージカル「レ・ミゼラブル」の名曲「民衆の歌」の替え歌を披露しており、「パロディーではあるけれど、内容は切実なので、そういう意味では気持ちを込めて歌った」と収録を振り返り、「少しでも印象に残ってくれれば」とアピールした。

 WOWOWでは、同賞の模様を「生中継! 第68回トニー賞授賞式」と題し、WOWOWプライムで6月9日午前8時半から生中継する。また、同月14日午後8時から字幕版をWOWOWライブで放送。井上さんが出演するミュージカル風スポットは同局の動画サイト「W流」などで視聴できる。

 <プロフィル>

 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。2000年にミュージカル「エリザベート」のルドルフ役でデビュー。以降、高い歌唱力と存在感で数々のミュージカルや舞台に出演し、ソロコンサートやディナーショーなどの歌手活動も積極的に行っている。06年に第13回読売演劇大賞杉村春子賞(新人賞)、08年に第33回菊田一夫演劇賞を受賞。最近ではストレートプレー(演劇の舞台)や映画などにも出演し、俳優として高い評価を得ている。

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