日本のみならず世界各地で親しまれている沖縄音楽。その隆盛のきっかけとなったルポライター、竹中労さん(1930−91)がプロデュースしたレコードが「竹中労プロデュース 沖縄民謡名盤10作品」(コロムビア)として復刻、CD化された。
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「島唄」(沖縄民謡)の唄者(歌手)が東京と大阪に集まり、その魅力を伝えた今も続く伝説のイベント「琉球フェスティバル」の録音盤(74、75年)など、貴重な音源ばかりで、現代の沖縄出身のミュージシャンにも多大な影響を与えている。
「語やびら島うた 彈~嘉手苅林昌の世界~」は、戦後の沖縄を代表する唄者で、竹中が「島唄の神様」と称した嘉手苅林昌(かでかる・りんしょう=1920−99)さんの魅力たっぷりのライブ盤。74年、大阪での琉球フェスティバルの模様を収録している。
「1975年8月15日 熱狂の日比谷野音 VOL.1“戦場の哀れ”」は、30回目の終戦の日に開かれた琉球フェスティバルのライブ盤で、「ひめゆり部隊の歌」「銃後の妻 」(嘉手苅林昌さん、饒辺=よへん=愛子さん)など戦争を題材にした唄を特集。登川誠仁(のぼりかわ・せいじん=1932−2013)さん、今回の復刻に協力した沖縄民謡界の大御所、知名定男さんらが登場。司会は、戦後の沖縄芸能をリードし、「てるりん」の愛称で親しまれた照屋林助(1929−2005)さんが務めている。ちなみに、林助の息子は「りんけんバンド」の照屋林賢さんだ。
知名定男さんは今回の復刻にあたり、「流行性沖縄病や沖縄ブームが去り、今は沖縄発の音楽が定着している。それは、故竹中労が沖縄に関わった時から始まった。そのきっかけとなった貴重な音源が今、甦る」とコメント。リマスタリングを担当したミュージシャンの久保田麻琴さんは「この歴史的録音は、当時の情熱的な企画スタッフ、優秀な技術チームにより、実に丁寧に録られており、演奏/歌唱の秀逸さが語りかけてくる。嘉手苅林昌の数々の名演も凄いが、若き大工哲弘の神がかった勢いの良さ、その師とも云える山里勇吉の円熟と迫力、すでに完成されていた大城美佐子の情感、等々が、食わず嫌いだった私の耳をこじ開けた」とメッセージを残している。
「語やびら島うた 彈~嘉手苅林昌の世界~」など6作品は23日に発売され、4作品は8月20日発売。10月末まで、写真家・井出情児さんが唄者を撮影したミニ写真集「琉球’74−’75 花−pana−」が応募者全員にプレゼントされる(CDに封入されている応募券をはがきに貼り応募のこと)。詳しくはコロムビアの特設ホームページ(http://columbia.jp/okinawaminyo/)。(油井雅和/毎日新聞)
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