俳優の玉木宏さんと女優の石原さとみさんが初共演した歴史エンターテインメント作「幕末高校生」が26日に公開される。映画は、幕末期の江戸にタイムスリップしてしまった高校教師の未香子(石原さん)と教え子たちが、勝海舟(玉木さん)ら歴史上の人物と出会い、騒動を巻き起こしながら現代へ戻ろうと奔走する姿を描いている。玉木さん、石原さんのほか、柄本時生さん、川口春奈さん、千葉雄大さん、伊武雅刀さん、佐藤浩市さんらも出演。「デトロイト・メタル・シティ」などの李闘士男監督がメガホンをとった。
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1868年、江戸時代末期の江戸。新政府軍と幕府軍の間で戦いが始まろうとする中、戦いを避けたいと考える陸軍総裁・勝海舟(玉木さん)は、新政府軍参謀・西郷隆盛(佐藤さん)に和平交渉の使者を送る。そのころ、未来からやって来たという高校教師・未香子(石原さん)と生徒の雅也(柄本さん)と出会う。未香子は一緒にタイムスリップしてきたであろう恵理(川口さん)と慎太郎(千葉さん)を見つけ出し未来に帰ろうとするが……というストーリー。
「幕末高校生」といえば1994年にフジテレビ系でドラマが放送されており、懐かしさすら感じる。同ドラマに着想を得て製作されたという今作は、現代人がタイムスリップして過去の人間と出会うことで歴史が変わってしまう……という王道のテーマを扱っている。その中で玉木さん演じる勝海舟が強い信念は持っているけれど威厳がなく、気が弱いなど、随所に21世紀らしい設定で見る者を楽しませてくれる。時代劇と聞くと一歩引いてしまうかもしれないが、タイムスリップしてきた教師の成長や3人の生徒の変化など、時代劇と現代劇のよさを融合させ、コメディータッチで笑いを交えて進んでいく物語はバランスがよく見る者を飽きさせない。江戸時代にタイムスリップしてきた現代人のリアクションや、海舟の表情や動作などには思わずクスッとさせられてしまう。時代劇と構えずにライトな雰囲気とタイムスリップした時代から現代に戻れるかどうかのスリリングさを楽しみたい。丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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