話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、和風喫茶店を舞台とした清水ユウさんのマンガ「鹿楓堂よついろ日和」です。「ゴーゴーバンチ」(新潮社)編集部の榎谷純一さんに作品の魅力を聞きました。
−−この作品の魅力は?
鹿楓堂(ろくほうどう)という和風喫茶店が舞台なのですが、4人の店員が皆イケメンかつスペシャリスト! 店主かつお茶担当のスイ、コーヒー担当のぐれ、スイーツ担当の椿、料理担当のときたか、4人のキャラクターがそれぞれ魅力的で、彼らはお客様に最上の「おもてなし」を提供しながら、時にはお客様の“お悩み”をも解決してしまうという……。「こんな喫茶店が実際にあったら常連になるのに!」と読んだ皆が思う、理想の喫茶店マンガです。
4人のイケメンキャラに目がいきがちですが、物語がとても面白く、笑えるお話や泣けるお話など清水ユウ先生の物語力が遺憾なく発揮されていて、男女問わず多くの読者に楽しんでもらえる内容になっています。
ちなみに、私はコーヒー担当のぐれが大好きで、コーヒーの入れ方は超絶にうまいのに、ラテアートが芸術的にヘタ(?)というザンネン感がツボです。客の誰にも解読されないうえに、仲間からの激しい突っ込みにも全く動じないメンタルの強さ! 彼の可愛いエピソードが私のハートをぐいぐいつかんできます(笑い)。
−−作品が生まれたきっかけは?
私が清水先生の前作「甘美男子」(マッグガーデン)の大ファンでして、全4巻で完結した際にお会いして、「鹿楓堂の世界を今以上にたくさんの読者に読んでもらいたいです!」とオファーいたしました。清水先生の中でもまだ描きたい物語がたくさんあったようで快諾していただけました。ただ、そのまま前作と変わらずでは新しく始める意味が弱いので、新作「鹿楓堂よついろ日和」では毎回のゲストキャラクターを魅力的にしていくこと、女性キャラクターを積極的に描いていくことを柱に据えました。
−−モデルになった店やメニューはあるのでしょうか?
連載開始前に数多くのカフェ取材にうかがいましたが、あくまでも参考までです。「鹿楓堂」は清水先生の想像上の“理想のお店”といった感じでしょうか。店員が着流し姿のイケメン4人で、コーヒーも甘味も食事もおいしい店なんて、そうないですからね(笑い)。リアルの店の良い点をいったん取り入れた上で、想像で再構築しています。読者から「こんな店があったらいいのに」とメッセージをいただける理由はそこでしょうか。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください。
担当してからは喫茶店に入ると必ずケーキを頼むようになってしまいました。「とりあえずケーキ!」みたいな(笑い)。甘味の摂取量が倍になりました。あと、カフェラテを頼むと、ぐれが作るような解読不能なラテアートが出てることを心のどこかで期待してしまっていて、普通の猫とか出てくると、ちょっとがっかりしてしまいます。
−−今後の展開は?
主人公スイの過去が少しずつ明らかになっていきそうです。兄との確執や祖父との約束が縦軸となって物語は動き出していきます。「鹿楓堂」のメンバーが店に集まってくる過去エピソードも描かれる予定で、担当の私もとても気になります。
−−読者へ一言お願いします。
第2巻は2015年の2月もしくは3月には発売できると思います。1巻の表紙は店主のスイでしたが、2巻の表紙は誰がいいと思いますか……? ご希望があれば編集部宛てに、清水先生へのファンレターとともにお便りお待ちしております!
「ゴーゴーバンチ」編集部 榎谷純一
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