俳優のシルベスター・スタローンさんが脚本と製作を担当し、ジェイソン・ステイサムさんが主演するアクション映画「バトルフロント」(ゲイリー・フレダー監督)が9日から全国公開される。当初、今作はスタローンさん自身が主演するつもりだったが断念、「エクスペンダブルズ」シリーズで共演したステイサムさんに託したという。ほかにジェームズ・フランコさん、ウィノナ・ライダーさん、ケイト・ボスワースさんが出演している。
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ある潜入捜査で麻薬王から恨みを買った潜入捜査官のフィル・ブローカー(ステイサムさん)は、仕事から足を洗い、一人娘のマディ(イザベラ・ビドビッチさん)と、亡き妻の故郷で暮らし始める。ところが、マディの学校でのいざこざが原因で、クラスメートの母親キャシー(ボスワースさん)との関係が険悪になってしまう。腹の虫が収まらないキャシーは、兄のゲイター(フランコさん)にフィルへの仕返しを頼むが、実はゲイターは麻薬の密売人だった……という展開。
少し前に公開された「ハミングバード」では、アクションを極力避け、戦争後遺症の男を情感たっぷりに演じていたステイサムさんだが、今回はいつものステイサムさんに戻り、お得意のアクションをさく裂させている。麻薬王との激突に始まり、地元のセコい麻薬密売人との対決、娘のクラスメートの母親とのトラブルまで、あらゆる面倒を背負いこんでしまったようなフィル。どんなピンチに陥ろうと、どんなに痛い目に遭わされようと反撃し、危機的状況から抜け出すに違いない、そういった“絶対的安心感”を、演じるステイサムさんは持っている。どこを突けば観客が喜ぶかということをスタローンさんもわきまえていて、今作では期待通り、それをやってのけている。セコい麻薬密売人ゲイターを演じるのがフランコさん。自分の販路拡大のために麻薬王をそそのかす腹黒い男に徹しているところも見どころの一つだ。8月9日から新宿バルト9 (東京都新宿区)ほか全国で公開。
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
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