注目映画紹介:「ホットロード」 名作マンガが能年主演で現代に 10代の甘酸っぱい純愛を描く

映画「ホットロード」の一場面 (C)2014『ホットロード』製作委員会 (C)紡木たく/集英社
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映画「ホットロード」の一場面 (C)2014『ホットロード』製作委員会 (C)紡木たく/集英社

 1986~97年に少女マンガ誌「別冊マーガレット」(集英社)に掲載された紡木たくさんの人気マンガを映画化した「ホットロード」が16日に公開される。心に傷を負った14歳の宮市和希役を能年玲奈さん、不良少年の春山洋志役を人気ユニット三代目J Soul Brothersの登坂広臣さんが演じ、神奈川・湘南を舞台に多感な思春期を懸命に生きる2人の青春模様が描かれる。80年代に一世を風靡(ふうび)した名作の世界が、現代的な要素を取り入れてスクリーンによみがえった。

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 父を亡くし、母は恋人に夢中という家庭環境で、孤独を感じている14歳の和希(能年さん)は、友人のえり(竹富聖花さん)に誘われ訪れた湘南で、命知らずの不良少年、春山(登坂さん)に出会う。最初は嫌っていたものの存在の新鮮さに引かれ“春山の女”になった和希は、母親との衝突を繰り返しながらも、春山と過ごす時間に幸せを見つける。だが春山らを巻き込む不良チーム同士の抗争は次第に激化していき……という展開。

 多くの音楽PVを手がけた三木孝浩監督がメガホンをとり、せりふを抑えめにして海辺の風景など美しいカットを多く挿入することで、ただ不良が暴れまくるだけの“ヤンキー映画”とは異質の、美しい映像作品に仕上げている。自身の存在価値を感じられなかった和希が、春山との出会いによりどのように変化していくのかが見どころで、繊細な10代の心の揺れが丁寧に描かれている。登坂さん扮(ふん)する春山らの不良チームが思いのほかファッショナブルでカッコよく、伝説のバイク「ヨンフォア」ことHONDAのCB400FOURで疾走するシーンは、バイク好きにはたまらないかもしれない。

 原作のファンという木村佳乃さんが和希の母親役を演じ、恋人を思う娘とうまく向き合えずに葛藤する母を好演している。不良チームのリーダー役を鈴木亮平さん、和希の母の恋人、鈴木役を小澤征悦さんが演じるなど、脇を固める俳優の名演も必見。主題歌に採用された尾崎豊さんの名曲「OH MY LITTLE GIRL」が原作の世界観を再現し、ティーンから当時青春を過ごした大人まで幅広い年代が楽しめる映画だ。16日から全国で公開。(伊藤野々子/毎日新聞デジタル)

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