仮面ライダードライブ:“禁じ手”の「車」モチーフに葛藤も 刑事もので「王道ヒーロー目指す」

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 特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの最新作「仮面ライダードライブ」(テレビ朝日系)がこのほど発表された。主人公はシリーズ初の刑事で、従来のバイクではなくスーパーカーに乗り込む“車に乗る刑事ライダー”となる。バイクのヒーローである仮面ライダーでは“禁じ手”ともいえる「車」がモチーフで発表時には大きな注目を集めたが、制作サイドは「ライダーを車に乗せることに葛藤もあった」という。「王道のヒーロー」を目指すという今作について、東映と同局のプロデューサーの発言を交えながら見どころをまとめた。

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 ◇バイクに乗らない仮面ライダー 「それでいいのか」の声も

 「仮面ライダードライブ」に変身する主人公・泊進ノ介が乗り込むのは真っ赤なスーパーカー「トライドロン」だ。バイクに乗らない仮面ライダーとなるが、東映の大森敬仁プロデューサーは「仮面ライダードライブは車にしか乗らない。撮影当初から、仮面ライダーを車に乗せることは、(周囲から)『それでいいのか』と言われ、葛藤もあった」と率直な思いを明かす。

 それでも、今シリーズは人間とマシンが共闘する「仮面ライダー」の原点に立ち返るのが狙いだといい、大森プロデューサーは「往年のライダー見て熱くなった世代の心に刺さるライダーが帰ってくると思う」と自信ものぞかせる。テレビ朝日の佐々木基プロデューサーも「ライダーシリーズで車なんてと思われるかもしれませんが、男の子の心をくすぐるようなスーパーカーが大活躍します」とアピールする。

 ◇刑事ドラマの爽快感もプラス 敵チームもイケメンぞろい

 今作の主人公・進ノ介が警視庁の刑事というのもシリーズ初の試みだ。物語は一筋縄ではいかない刑事ばかりが集められた警視庁「特状課(特殊状況下事件捜査課)」の刑事である進ノ介が仮面ライダードライブに変身して、敵集団「ロイミュード」が起こす犯罪に立ち向かう……という展開で、佐々木プロデューサーは「刑事ドラマとしての謎解きや事件解決といった1話完結で見やすいものになっています。刑事ドラマならではの爽快感で子どもだけでなく家族で楽しめる新しい仮面ライダーにしたい。刑事のライダーということで、王道のヒーローを目指している」と力を込める。

 主人公・進ノ介役を務めるのはモデルの竹内涼真(たけうち・りょうま)さん。女性ファッション誌「mina」(主婦の友社)の「minaカレオーディション」でグランプリに輝き、同誌初の男性モデルを務める21歳だ。特状課の同僚巡査・詩島霧子(しじま・きりこ)役には内田理央さん、特状課の課長・本願寺純役に片岡鶴太郎さんを起用。敵集団の「ロイミュード」側にも蕨野友也さん、松島庄汰さん、上遠野太洸(かとおの・たいこう)さんを起用し、佐々木プロデューサーも「史上最強のイケメン敵チームをそろえた」と自信を見せる。

 ◇しゃべる変身ベルト “タイヤ交換”で能力変化

 また、主人公は変身ベルトの「ドライブドライバー」を使い、左手首に着けた「シフトブレス」に「シフトカー」と呼ばれるミニカーを挿入することで変身し、「仮面ライダードライブ」の胸部には「トライドロン」から発射された“タイヤ”が装着される。さらに、「シフトカー」を入れ替えることで、胸部の“タイヤ”が交換され、攻撃能力も変化するという仕組みだ。

 また、「ドライブドライバー」は意思を持ち、言葉も発するといい、通常時はスーパーカー「トライドロン」のデッキボード周辺に格納され、進ノ介らドライバーと会話しながら走行する。クリス・ペプラーさんが声を担当しており、主人公との掛け合いも見どころになりそうだ。

 「仮面ライダー鎧武/ガイム」は、戦国武将とフルーツという異色のモチーフで制作されたが、今度の「仮面ライダードライブ」は一転して、メカニカル感が強調された。金属と金属がぶつかるきしみや、電子音と光なども駆使して、未来的ともいえる「車」の持つ魅力を引き出すという。

 脚本は「仮面ライダーフォーゼ」などの三条陸さん、監督は「仮面ライダー鎧武」も手がけた田崎竜太さんが担当。活動休止中の人気ロックバンド「SOPHIA」の松岡充さんがドラマのために結成したバンド「Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE(アーネストドライブ)」が担当する主題歌「SURPRISE−DRIVE」にも注目だ。番組は10月5日から毎週日曜午前8時に放送予定。

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