女優の吉永小百合さんが初プロデュースを手がけた主演映画「ふしぎな岬の物語」(成島出監督)が、カナダで開催中の第38回モントリオール世界映画祭で審査員特別賞グランプリとエキュメニカル審査員賞をダブル受賞したことが明らかになった。邦画作品の審査員特別大賞受賞は2011年の「わが母の記」(原田眞人監督)以来3年ぶり史上5作品目の快挙。エキュメニカル審査員賞は06年の「長い散歩」(奥田瑛二監督)以来となる。
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受賞は現地時間9月1日に行われたワールドコンペティション部門の授賞式で発表され、ステージに登場した吉永さんは、1000人の観客からの拍手喝采を浴び、「スタッフ一同、皆様に感謝いたします。こんな賞をいただき、私たち皆、本当に感激しております」とフランス語であいさつ。共演の阿部寛さんも「非常にうれしいです。とても素晴らしい賞をいただきました。本当にありがとうございます」と英語で喜びを語った。
また、成島監督も「共に企画から携わった吉永さんを中心として、スタッフ・キャストが皆心を一つにし、大変良いチームワークで作り上げることができました。人と人とが思いを持って『つながる』ことだけが人を救っていく、という普遍的なテーマが海外でも受け入れられたことを大変うれしく思います。本当にありがとうございました」と喜びのコメントを発表している。
映画は、森沢明夫さんの小説「虹の岬の喫茶店」(幻冬舎文庫)が原作で、千葉県の明鐘岬に実在した喫茶店を舞台に、女性店主と人々の交流を描く。吉永さんと成島監督との共同企画として発足し、吉永さんは主演のほか、プロデューサーとして映画に携わっている。喫茶店の女性店主・悦子を吉永さん、悦子を献身的に守り続けるおい・浩司を阿部寛さん、突然里に戻ってきた常連客の娘・みどりを竹内結子さんが演じる。10月11日公開。
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