テレビ試写室:「ママとパパが生きる理由。」 子役の笑顔に胸キュンも涙なしには……

ドラマ「ママとパパが生きる理由。」の1シーン
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ドラマ「ママとパパが生きる理由。」の1シーン

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、女優の吹石一恵さん主演で20日から放送される連続ドラマ「ママとパパが生きる理由。」(TBS系)だ。

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 原案は、昨年亡くなった芽生さんが闘病や家族についてつづったブログの内容をまとめたエッセー「私、乳がん。夫、肺がん。39歳、夫婦で余命宣告。」(大和出版)。吹石さんが、幼い子ども2人を持ちながら末期の乳がんになってしまう専業主婦の吉岡柊子(とうこ)、青木崇高さんが、柊子に続いて末期の肺がんと診断される夫の賢一を演じ、柊子と賢一の夫婦が、それぞれ余命宣告を受けながら子どもたちのため、病気を前向きにとらえ、立ち向かう姿を通し、家族の絆や命の大切さを伝えていく……という内容だ。

 注目すべきは、柊子と賢一の夫婦にとってかけがえのない存在である2人の子どもたち。長女・亜衣役には映画「八日目の蝉」(成島出監督)で第35回日本アカデミー賞新人俳優賞を史上最年少で受賞した渡邉このみちゃん(8)、長男・由宇役には2013年に放送された連続ドラマ「とんび」(同局系)の演技も話題を呼んだ五十嵐陽向(いがらし・ひなた)君(5)を起用した。吹石さんと青木さん含め、まるで本物の家族のような仲むつまじい姿と、「本当に演技なの?」と思わずにはいられないこのみちゃんと陽向君の愛くるしい笑顔に胸が“キュン”としてしまうこと必至。物語が進んでいっても、2人の笑顔が失われないことを願うばかりだ。

 物語の中心となる吉岡家の4人以外の配役も見逃せない。賢一の父・吉岡泰一役には、今年6月に妻・初美さんを乳がんで亡くしたダンカンさん、今年9月に仲間由紀恵さんと結婚した“新婚”の田中哲司さんが“バツイチ独身”の賢一の上司・野村和樹役で登場する。妻の病気を告白し、少しでも一緒にいる時間を作りたいと頭を下げる賢一の肩を、野村が“ガッ”とつかんで諭す場面は1話でも屈指の名シーン。田中さん演じる野村が今後のキーパーソンになりそうだ。また、病気が分かってからも柊子は気丈に振る舞い、妻の支えとなろうとする賢一の体も病魔に侵されており……という1話から涙なしには見られない展開だが、吉岡家がたどる運命を最後まで見届けたい。

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