人気グループ「嵐」の相葉雅紀さんが初めて単独主演を務めた映画「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」(犬童一心監督)が22日に公開される。歌手の山下達郎さんのヒット曲「クリスマス・イブ」をモチーフにした中村航さんの小説が原作。マンガ家になる夢を持ち続ける書店員の主人公をはじめ、男女4人のすれ違う思いやクリスマスの夜に起こる奇跡を描いている。恋と夢の間で揺れ動く男女を演じる相葉さん、榮倉奈々さん、ハン・ヒョジュさん、生田斗真さん4人が等身大でリアリティーを感じさせる演技を見せている。
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マンガ家を目指す書店員の山本光(相葉さん)は、ある日、世界的な照明アーティストのソヨン(ハンさん)と偶然出会い一目ぼれしてしまう。ソヨンを運命の人と思い込んだ光は、幼なじみの高橋杏奈(榮倉さん)に相談するとソヨンと仕事仲間だという。子供の頃から光に恋心を抱きながらも光の片思いを応援する杏奈。一方、光はソヨンが自分の大学時代の同級生で人気マンガ家の北山一路(生田さん)の元恋人と知ってしまい……というストーリー。
モチーフとなったのがクリスマスソングだけに、まさに王道のクリスマス映画という印象のキラキラした空気をまとっている。90年代の音楽を使い、トレンディードラマを彷彿(ほうふつ)とさせるストーリー展開でどこかレトロで当時を知る世代には懐かしい気持ちになるが、それでいて現代にマッチした演出や登場人物たちのキャラクターなどに引き込まれる。主人公の光を演じる相葉さんは、優しすぎて気弱というヘタレ全開な役を見事に演じているのだが、失礼ながら相葉さんのパブリックイメージとあまりにも合いすぎて、どこかほっこりしてしまう。また、物語の鍵を握るキャラクター・デビクロくんとの掛け合いも楽しく、実写とアニメを融合させた表現は一見の価値あり。デビクロくんの声を演じる劇団ひとりさんがいい味を出している。TOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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