俳優の佐々木蔵之介さんと國村隼さんがダブル主演する舞台「ロンドン版 ショーシャンクの空に」が、12月11日から日比谷シアタークリエ(東京都千代田区)で上演される。舞台では初共演となる2人に互いの印象や、名作に出演する意気込みを聞いた。
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舞台は、1994年に映画化もされ大ヒットした、スティーブン・キングさんの小説「刑務所のリタ・ヘイワース」が原作。銀行家として若くして成功を収めながらも、妻とその浮気相手を殺した罪で終身刑を言い渡された佐々木さん演じるアンディが、過酷な刑務所の中で希望を捨てずに仲間たちと明日を信じて生き抜くストーリー。國村さんは、アンディが最初に話しかけた、塀の外から何でも取り寄せられる“調達屋”の囚人・レッドを演じ、物語はレッドの視点で語られる。
NHKの連続テレビ小説「オードリー」や映画「少年H」などで共演経験のある佐々木さんと國村さんだが、舞台で共演するのは今回が初めて。互いの印象について、國村さんは「野球のピッチャーで言ったら、ストレート。あまり変化球や緩急をつける、間をはずすとかはしないタイプ。ガッと持って行って、しっかり積み上げていく演技をする印象」と佐々木さんを評し、佐々木さんは「初対面のときは自分がほぼ映像デビューのときだったので、『こういうふうにせりふ回ししながら芝居をされるんだなあ、プロの俳優さんは』と思いました」と國村さんへの尊敬の念を語る。
そして今回、改めて向き合ったことで互いに語るのが、2人の間に漂う無条件の“あうんの呼吸”。ともに関西出身であることからも、國村さんは「基本、あまり言葉はなくても、お互い考えていることがツーカーでよく分かる部分がある。ベースは同じかなと」と話し、佐々木さんも「接していて何となく肌で感じるみたいな感覚はあります。同じように芝居に関しても、こうしたいというのは肌で感じるというのはあります」と同意する。
舞台の出演者は男性のみ。制作発表で「部活のような芝居になると思う」と語っていた佐々木さんだが、実際、けいこを始めてみての印象を「男だらけだからなのか分からないんですが、更衣室がすごく狭いんです。女優さんがいたらこんなことにはならなかったと思うんですが、更衣室からはみ出して着替えています」と苦笑。洋服に関しても無頓着で「毎日同じ洋服を着てるんじゃないか自分ら、みたいなところがあります」と舞台裏を明かす。
一方で、けいこ場での様子を國村さんは「役者さんもスタッフさんたちも、非常に同じ方向を見て、きちんと積み重ねている現場」とコメント。佐々木さんも「みんなこの作品に向かう体制ができていると思いますね。いいカンパニーだなと思います」と充実感をにじませた。
作品に関しては、「大きなキーワードは希望」だという2人さん。佐々木さんは「僕が演じるアンディから刑務所の仲間が希望を受け取ったように、お客さんもその希望を見つけていただけたら」といい、國村さんは「作品の舞台は刑務所だけど、自分たちの住んでいる社会にそのまま置き換えてみても、『果たして自分たちは、ちゃんと希望を持って生きているのだろうか』と考えることができると思う。僕たちの芝居で、その希望をお客さんに伝えられたら」と意気込む。
また「映画版のファン」だという國村さんは、「映画と舞台、見たときに違う見方ができるような舞台を僕たちは作っているつもり。映画版が好きな人も、今回の舞台を見ることでもう1回映画が見たくなるのでは」とアピール。佐々木さんは「映画と違って舞台は、同じ時間、同じ場所に見に来てくださるということで、同じような気持ちをより共有していただけると思います」と舞台の魅力を語った。
「ロンドン版 ショーシャンクの空に」は、12月11日からの東京公演を皮切りに、仙台、名古屋、広島、大阪、福岡で上演される。
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