今年流行した言葉を決める「2014 ユーキャン新語・流行語大賞」が1日発表され、今年最も世の中を騒がせ、注目を浴びた「STAP細胞はあります」「ゴーストライター」「号泣会見」は“落選”した。トップテンには選ばれなかったものの、選評では各委員がそれぞれ触れており、マンガ家のやくみつるさんは「今年は妙な記者会見の当たり年」と「三大珍会見(組み合わせは各自ご自由にw)」と命名するなど、世相や人々に与えたインパクトの大きさを振り返っている。
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「STAP細胞はあります」は、新しい万能細胞「STAP細胞」の論文に不正があったとされた問題の会見で、理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダー(現研究員)が語った言葉。「ゴーストライター」は、「全ろうの作曲家」として活動していた佐村河内守さんが楽曲を他人に作らせていた問題で、ゴーストライターを務めていたと告発した新垣隆さんの告発で発覚した。「号泣会見」は、政務活動費の使途を巡る野々村竜太郎・前兵庫県議の記者会見で、号泣しながら釈明する姿はネットを通して全世界に発信された。
選評では、やくさんが「あまたのモンダイ会見が行われ、そのたびに流行語が発生した。この会見の多さを日本人の律義さととるか、形式的幕引きを好むととるか。いずれにせよ当人は来られるか?」と皮肉くっている。聖学院大学長の姜尚中さんは「昨年と較べ、派手さはないが、奇人、変人、キワモノの言葉が元気な一年でした。まるで、妖怪たちが百鬼夜行するような言葉が印象的です」と「どこか露悪的でひねくれた言葉が本音を語っているように思われる世相なのかもしれません」と斬っている。
また、「現代用語の基礎知識」編集長の清水均さんは「今年の新語・流行語はノンフィクション系が優勢でした。事件、事故、不祥事、災害。海外の政治情勢を含めて、物騒な言葉たちがこの国の生活に戸惑いと不安をもたらし、そのモノモノしさが並外れていたために、フィクション系が圧倒されてしまったということでしょうか」と分析している。