スキマスキ:異色の青春ラブコメ 劇団EXILE・町田が隙間フェチの大学生を好演

「スキマスキ」のワンシーン (C)2015 宇仁田ゆみ・小学館/「スキマスキ」製作委員会
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「スキマスキ」のワンシーン (C)2015 宇仁田ゆみ・小学館/「スキマスキ」製作委員会

 「うさぎドロップ」で知られる宇仁田ゆみさんの人気マンガを基に、「劇団EXILE」の町田啓太さん主演で実写映画化した「スキマスキ」(吉田浩太監督)が7日に公開される。「スキマスキ」は、2001~03年に「ビッグコミックスピリッツ増刊IKKI」と「月刊IKKI」(ともに小学館)で連載されたマンガで、物の隙間(すきま)をのぞくことが好きな男子大学生と、その男がのぞいている部屋に住む女性という一風変わった関係を描いている。NHK連続テレビ小説「花子とアン」に出演し注目を集めた町田さんが、その好青年ぶりからは想像できない外見で“隙間フェチ”の主人公・ヘイサクを好演。ひと味違う青春ラブコメディーに仕上がっている。

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 隙間にとてつもなく愛着を感じてしまう大学生のヘイサク(町田さん)は、隣家のカーテンの隙間から見える女性の生活に夢中になっていた。ある日、その隣人女性・文緒(佐々木心音さん)と知り合いになり、ヘイサクは文緒の私生活をのぞき見ることに罪悪感を抱くが、誘惑には耐えきれず、悶々とした日々を送る。しかし、文緒もまた窓の隙間からヘイサクのことを観察していて……という展開。

 主人公・ヘイサクを演じる町田さんと、文緒役の佐々木さんが好演。青春ラブコメと銘打たれた今作だが、主人公が隙間フェチという設定で、カーテンの隙間から見える女性をのぞき見ているというのだから一筋縄ではいかない。とはいえヘイサクは特殊な嗜好を持ちながらも、極めて平凡でどこにでもいそうな人物に描かれていて、妄想や葛藤といった部分には思わず共感する。ストレートではない青春恋愛ものとして好感が持てる。展開的にもヘイサクの視点で進みながら、途中で文緒視点に切り替わるという“プチサプライズ”があり、中村映里子さん演じる華が絶妙にからんでくる関係性など盛り上がりを見せる。エンディング曲のパンクロックバンド「THE PRISONER」の「LETTER」だが、タテノリ系のビートと印象的な歌詞が今作の世界観とマッチ。爽快な気分にひたる手助けとなっている。7日からシネマート六本木(東京都港区)ほかで公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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